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徹底した「準備」が、強いメンタルを作り出す

2017年03月31日 公開
2023年04月06日 更新

荒木香織(園田学園女子大学人間健康学部教授)

元ラグビー日本代表メンタルコーチが伝授!

常に成果を求められる中間管理職にとって、プレッシャーはつきもの。「失敗できない」という思いから、仕事で良いパフォーマンスができずに悩む方も少なくないだろう。どうすれば、仕事に集中し、最高の結果を出せるのだろうか。元ラグビー日本代表メンタルコーチの荒木香織氏に「最高のパフォーマンスを引き出すメンタル」について話をうかがった。

 

プレッシャーの正体は、実力と期待の「落差」

 2015年に盛り上がった日本ラグビーの牽引力となったのは、なんと言っても五郎丸歩選手だろう。ゴールキックの前に行なう独特の動作「プレ・パフォーマンス・ルーティン」も注目を集めた。これは、五郎丸選手のコンサルテーションを任された荒木さんが提案したのがきっかけで生まれたものである。

「ただ、あれは数秒後に成果を出さねばならない状況で雑念を取り払い、ルーティンの動作そのものに集中し、キックの準備につなげます。一般のビジネスシーンで、同じような場面はあまりないかもしれませんね」

 上司や取引先へのプレゼン、あるいは売上げ目標達成などの際に生じるビジネス上のプレッシャーについては、また別の解決方法がある。ただその前に荒木氏は、まずプレッシャーの正体について考えることが大切だと言う。

「みなさん、よくプレッシャーという言葉を口にしますが、『何についてのプレッシャーですか』と聞くと、『そういえば、何かなあ』と具体的な答えは返ってきません。プレッシャーとは自分で作り出すものです。実力以上の結果を周囲から期待されていると受け止めたり、実力以上の結果を出そうと気負ったときの、実力と期待の『落差』をプレッシャーと呼んでいるだけなのです」

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著者紹介

荒木香織(あらき・かおり)

園田学園女子大学人間健康学部教授 博士(スポーツ科学)Ph.D

1973年生まれ。メンタルトレーニングコンサルタントとして、アメリカでスポーツ心理学を学び修士、博士課程を修了。2012年から3年間、ラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた。著書に『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』(講談社+α新書)がある。

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