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「収納破産」を解消すれば、仕事も人生も一気に好転する!

2016年11月22日 公開
2023年05月16日 更新

勝間和代(経済評論家)

部屋のものはすべて「生鮮食品」と思え

モノを減らして収納赤字から脱出した後は、いかに黒字状態を維持するかが重要になる。ここで大事なことは、「必要なモノだけ買い、不要なモノは捨てる」というサイクルを回し、「モノを一定量以上蓄積させない」ことだという。

「私の場合、日用品は一カ月以内に使い切る分だけ買うようにしています。まとめ買いするほうが経済的で効率的だという考え方もありますが、まとめ買いをすると不要なものまで買い込んでしまい、結局買ったことすら忘れて収納の奥に溜まってしまうことも多いものです。
こう考えてみてはどうでしょうか。生ゴミはすぐに捨てますよね。モノも一緒で、賞味期限があります。使わないモノをずっと置いておくことは、クローゼットや棚の奥で腐らせていることと同じです。ですから私は、買った洋服や靴でも『自分に合わないな』『履かないだろうな』と思えばすぐに処分しますし、食料品も定期的にチェックして、未開封でも明らかに食べないものは捨てるようにしています」

一方で、掃除や家事を効率化するために、新たに買い足したものもあるという。

「今、自宅にはロボット掃除機のルンバとブラーバが二台ずつあります。部屋が片づき、ロボット掃除機が床を走れるようになったので、掃除する場所や用途によって使い分けています。掃除や家事を効率化したり、楽にできるよう仕組み化したりするのも、部屋をきれいな状態に維持するには必要なことです」

 

部屋が片づいたら自分の時間が増えた

片づけを断行してからすでに1年以上、片づいた状態を維持できているという。「一度収納の赤字状態を脱すれば、維持するのはそれほど難しくない」と勝間氏。きれいな部屋を取り戻した今、生活に変化はあったのだろうか。

「必要なモノを探す時間が減り、日常生活の効率が高まったので、好きなことに使える時間が増えました。好きだった映画やコンサートのDVD鑑賞や、料理をよくするようになりました。
これは自分の反省でもありますが、私たちはもっと家のことに時間を費やすべきだと思います。働いていると家のことをついおろそかにしがちですが、仕事も家事もどちらも大事です。
これから部屋を片づけるという人は、1日30分から一時間でもいいので掃除すれば、1カ月で見違える空間になるでしょう。一度片づいたら、あとは1日10分手をかけるだけで、きれいな部屋を維持できます。片づいた状態の気持ちよさを知れば、もう元には戻れないはずです」

 

勝間氏の自宅を公開!「汚部屋」からのBefore&After

Before

片づける前は、モノが増え過ぎて、部屋の至るところに散らかっていた。「どこに何があるか把握できない」「新しいモノを買っても、古いモノに埋もれてしまう」という状態。必要なモノが見つからず、新しく買うからますますモノが増えるという悪循環に陥っていた。

 

After

モノを以前の2割程度に減らすことで、すっきりと片づいた部屋を手に入れた。勝間氏が行なったのは、収納スペースに収まる量にまでモノを減らすこと。モノを捨てる判断基準を「今使っているか、使っていないか」に置き、季節もの以外で、2カ月使っていないモノは処分。どうしても捨てる決心がつかない場合は、一時保管場所にしばらく置き、2~3週間後に改めて判断するようにした。
部屋が片づいたことで、日常生活の効率が格段にアップし、好きなことに費やせる時間が増えたという。掃除も楽にできるようになり、1日10分の掃除だけできれいな状態を維持できている。そして何より、「すっきりした部屋でストレスなく過ごせるので、仕事も人生もうまく回り始めた」と話す。

 

『2週間で人生を取り戻す!勝間式汚部屋脱出プログラム』
勝間和代著
文藝春秋刊/1,026円(税込み)
多趣味でモノが大好き――そんな勝間氏が編み出した汚部屋脱出術&二度とリバウンドしない仕組みとは? これまでになかった、ロジカルな片づけ術。

 

《『THE21』2016年11月号より》

著者紹介

勝間和代(かつま・かずよ)

経済評論家

1968年、東京都生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取 得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、㈱監査と分析取締役、内閣府男女共同参画会議議員、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授。ウォール・ストリート・ジャーナル「世界の最も注目すべき女性50人」選出。エイボン女性大賞(史上最年少)、第1回ベストマザー賞(経済部門)、世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leaders。

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