2016年09月13日 公開
2023年05月16日 更新
MVNOはNTTドコモやauから回線の一部を借りてサービスを提供しています。回線の貸出し料金は一律のため、MVNOの料金プランは業者間で大した差がありません。ですから、「どのMVNOを選べばいいか」を考えるとき、料金での比較にはあまり意味がない。とくに初心者は、会社としての体力やいざというときの対応を考えると、ベンチャーよりも大手企業を選ぶほうが安心でしょう。『OCNモバイルONE』を提供する業界最大手のNTTコミュニケーションズや『楽天モバイル』を提供する楽天はその代表格。『IIJmio』を提供するIIJもNTTが筆頭株主の大手です。
MVNO業者には店舗を持たないところが多く、その点も初心者にとっては不安かもしれません。初期設定のサポートやアフターサービスを重視する人は、店舗の多いMVNOを選ぶのもいいでしょう。IIJはビックカメラの店頭に「BICSIMカウンター」を設置して、新規契約手続きをその場で受けつけています。楽天モバイルも、「楽天カフェ」や「楽天モバイルショップ」などの実店舗を積極的に増やしています。
MVNOに乗り換えても、手持ちのスマホをそのまま使えれば、新たな端末を購入するお金を節約できます。そこでチェックするべきは、乗り換え先のMVNOがどのキャリアから回線を借りているか。NTTドコモやソフトバンクはW-CDMAという通信方式、auはCDMA2000という通信方式を採用していて、各端末はどちらかの通信方式に対応しています(LTEは3大キャリアとも共通)。つまり、現在NTTドコモを使っている人がau系のMVNOに乗り換えた場合、端末をそのまま使えないことがあるのです。
とはいえ、MVNO業者のほとんどはNTTドコモの回線を借りていて、auの回線を借りているのはUQモバイル、J:COM、ケイ・オプティコムなどわずか。auユーザーはこれらのMVNOを、NTTドコモやソフトバンクのユーザーはそれ以外のMVNOを選べば、手持ちのスマホがそのまま使えます。
どうしても最新のiPhoneを使いたいという人の場合は、3大キャリアと契約するほうがいいでしょう。日本でもSIMフリーのiPhoneが発売されるようになったのでMVNOで利用することもできますが、トータルではそれほど安くならないからです。なぜなら、大手キャリアはiPhoneを優遇していて、大幅な割引特典をつけているから。わざわざ定価でSIMフリーのiPhoneを入手し、面倒な設定を自分でするくらいなら、3大キャリアと契約したほうがいいという人がほとんどです。
格安スマホへ乗り換える際、注意すべきなのが通話時間です。MVNOには3大キャリアのような定額制のかけ放題プランはなく、契約している容量を超えると30秒につき20円の通話料金が加算されます。そのため、通話が多い人は、MVNOにするとかえって通信費が高くなることもあるのです。
ただし、IP電話アプリを使って「050」から始まる電話番号を取得すれば、格安で通話が可能。また、IIJmioの『みおふぉんダイヤル』やFREETELの『携帯革命通話料いきなり半額』などの「中継電話」と呼ばれるサービスを使えば、通話料は通常の半額になります。1回の通話時間が短い人は、月額850円のオプション料金を払えば5分以内の通話がかけ放題になる楽天モバイルを選ぶという手もあります。
更新:12月04日 00:05