2015年08月11日 公開
2023年05月16日 更新
ビジネスマンの場合、スキルアップのための自己投資代、つきあいでの飲み会や外食代などがかさみがちで、趣味に使うお金もあきらめられない……という人もいるだろう。実はそこにこそ、無駄使いと呼べる出費があるかもしれない。元メガバンク社員で『男の本格節約術』の著者でもある柏本湊氏に、多くの働く男性が「ここにはお金を惜しまなくていい」と思いこんでしまいがちな部分を見直す方法についてうかがった。<取材・構成:林 加愛>
節約する人としない人の最大の違いは、将来に対する見方にあると思います。「老後もなんとか生きていけるだろう」と楽観的に構えている人は、節約などしないでしょう。逆に、「現在は健康だが将来もそうか?」「リタイヤ後の家計は大丈夫か?」と考える人は、将来のために、現在の出費を抑えようとします。
どちらを選ぶも自由ですが、少なくとも四十代以下の人は、ある程度将来に危機感を持ったほうが健全ではないでしょうか。親世代は終身雇用が原則保証され、企業年金も国からの年金も手厚く受けられましたが、今後老後を迎える世代の先行きは、はなはだ不透明だからです。
数十年後、今の現役世代が高齢者になる頃には、国からのサポートは今よりも確実に切り下げられているはず。そのとき、どれだけ自己資金を持っているかが重要なポイントになります。
こう言うと、「そんな暗い予測に基づく節約なんて、やる気が出ない」と思う方も多いかもしれません。
しかし私は、節約とは「今の自分の頑張りで、将来の自分に自由を与える」ことだと考えています。お金に余裕があれば選択肢が増え、生き方の幅が広がります。働けるうちに働いて、その価値を将来の自分に上手に受け渡していくこと、それが節約なのです。そう考えると、むしろ前向きな行動とも言えます。
ちなみに、どんなに「今を楽しむ」タイプの人も、預金通帳の残高が増えていくのを見れば、多少なりとも安心感を得られるはず。これも、将来の自分に価値を渡す喜びの端的な表われです。節約をするなら、まずはこの喜びを動機にしましょう。未来に向けた「やる気」がきっと湧いてくるはずです。
「スキルアップのための自己投資には金を惜しむな」とよく言われるが、その出費を「どう回収するか」は見過ごされがちだ。
得たいスキルがあるときは、その習得にかかる時間、費用、手段をイメージして概算を立てること。加えてスタート時の年齢、習得時の年齢も考え、最後に「それを使って何をするか」を明確化しよう。その成果から予測される利益が出費を上回っていれば「投資の価値あり」と判断できる。
低コストで習得できる方法を探すことも大切だ。たとえば語学習得なら、海外とのオンライン英会話を利用すれば授業料は格安。その他、英字新聞をネットで読む、テレビの2カ国語放送でリスニング力を鍛える、といった方法もある。
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更新:11月21日 00:05