2016年06月01日 公開
2021年08月23日 更新
世界一美人のアルメニア。8歳にして、すでにモデル顔。
ノンポリの大陸浪人として、地球を転がる徘徊夫婦です。
稚内から始めた世界半周ドライブは、ロシア、中央アジア、イランと突き抜け、ヨーロッパの裏口までたどり着きました。
桜吹雪を身にまとい、北進中。
梅の花も満開です。
突然ですが、問題です。次の文章の空欄を埋めてください。
『商売が巧いとされる華僑3人が束になっても、1人のインド人には勝てるかどうか。そのインド人が3人束になっても、1人のアラブ人と同じぐらい。そのアラブ人が3人束になっても、1人のユダヤ人には敵わない。しかし、そのユダヤ人が3人束になってかかっても、1人の◯◯◯人には敵わない』
日本マクドナルドの創業者、藤田田氏の言葉ですが、◯◯◯に入る民族名はなんでしょう?
世界経済を牛耳っていると言われるユダヤ人を凌ぐ、世界最強の民族とは……。
その正体は、アルメニア人です。
世界最強のわりに、知名度が低いアルメニア。
紀元前は、地中海、カスピ海、黒海と3つの海を結ぶ王国でしたが、みごとな栄枯盛衰。今ではすべての海を失ってしまい、小さな内陸国です。
顔つきは若干うさん臭いものの、欲の皮の突っ張った商売人というより、売り込み下手で商売っ気のない人たちです。
髭の濃い悪人面ですが、カメラを向けるとVサイン。見かけに寄らずフレンドリー。
マクドナルドの元社長に絶賛されても、アルメニアにはいまだに一軒のマクドナルドもない寂しさ。
ユダヤ人以上の商売上手ともてはやされていますが、名目GDPは世界で131位という懐具合。
その貧困度のバロメーターは、レーズンパンにレーズンが1粒しか入っていなかった哀愁のボリビアでも、95位。一日の半分も停電し、路上の焚火で暖をとるネパールでも106位。中米の名だたる貧乏そうな国々、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアでさえ、それ以下というかそれ以上です。
グローバリズムの喧騒から取り残され、なんとなく貧乏にさえ気づいていないような、当事者意識の欠けた“のほほんさ”が漂っています。
チグリス・ユーフラテス川に滋養供給するほどの肥沃な土地ゆえ、貧乏に緊張感がないのです。
宗教的には、エデンの園があった人類の発祥地。そんな神々しいポテンシャルをおくびにも出さない控えめな態度。リンゴを食べて追放されたことが忘れられないのか、男性の9割が海外へ出稼ぎに出ます。
女性はイブの直系末裔。世界一の美人として有名ですが、妙齢の娘さんをほとんど見かけません。女盛りのイブたちは、働き盛りのアダムとともに出奔したのでしょう。
ソ連から独立した当時の人口が、350万人。いま300万人を切ったところ。ほうっておくと、こっそり消滅してしまいそうな奥ゆかしさがあります。
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更新:11月23日 00:05