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人の名前を忘れないための「覚え方」

2016年04月21日 公開
2022年12月07日 更新

宇都出雅巳(トレスペクト経営教育研究所代表)

「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方

以前に一度会って、名刺交換もしたはずの人なのに、名前が思い出せない……そんな経験はないだろうか。日々、多くの人と接するビジネスマンにとって、人の顔と名前を覚えることは重要なスキルのひとつだ。しかし、速読や勉強法の専門家である宇都出雅巳氏によれば、「名前とは、本来忘れやすいもの」だと言う。「忘れやすい」とはどういうことなのか、また、覚え方のコツとは!?

 

「しまった! この人の名前、なんだっけ?」

「この人の名前は……うーん…思い出せない……」
先日のプレゼンのフォローアップで客先を訪れた山田さん。今日は先方の担当者だけとのミーティングだと思っていたら、そこには担当者以外に、先日のプレゼンに出席されていた人がもう一人。
 

「あれ? この人の名前は何だっけ? うーん、思い出せない……」
顔には見覚えがあり、名刺交換した記憶もあるのに、なぜか名前が出てこない……。

向こうは「山田さん……」と自分の名前を呼びかけながら、笑顔で話しかけてくる。

こちらも笑顔でなんとか、名前を忘れていることに気づかれないように話を進めるものの、頭の中では「この人の名前は? 名前は?」と必死で思い出そうとして気持ちは焦るばかり。

あなたはこんな経験、ありませんか?

とても大事な情報なのに、なぜか忘れてしまう「人の名前」。どうしたら、忘れないですぐに思い出せるのでしょう?

 

そもそも人の名前とは、「忘れやすい」ものだった!

人の名前をどうしたら覚えられるのか? そこに入る前に、まずは、なぜ忘れてしまうのか、その原因を見ていきましょう。

実は「名前」というのは、もともと忘れられやすい特徴を持っています。あなたの「記憶力が悪いから」忘れたわけではないのです。

では、「名前」が忘れられやすい理由となる特徴とは何か? それは以下の2つです。

1) 繰り返す機会が少ない
2) それ自体に意味がない

あなたは、名前が出てこない「○○さん」の名前を何回ぐらい口に出したでしょう? 名刺交換をしたとき、そしてプレゼンのときはどうでしたか? 

もしかして、一度も口に出していないかもしれません。ビジネスに限らず、日常生活の場面で、相手の名前を口に出して呼ぶというのは、考えてみると本当に少ないのです。

とくに日本語では、目の前の相手に話す場合、わざわざ名前を出さずに省略するのが普通なので、少なくなりがちです。

また、人の名前(名字)というのはそれ自体に意味がありませんから、そもそも覚えにくいものです。
その人の出身地や趣味などであれば、意味があり具体的なイメージも浮かびやすく、その人の顔と結びついて思い出しやすいのですが、名前の場合はそうはいかないのです。

それに加えて、人の名前は「だいたいこんな名前」というわけにはいかず、思い出すのに苦労することも原因の一つになります。

 

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著者紹介

宇都出雅巳(うつで・まさみ)

トレスペクト教育研究所代表

1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。30年にわたり、記憶術と速読を実践研究し、脳科学や心理学、認知科学の知見も積極的に取り入れた独自の勉強法を確立。受験生・ビジネスマン向けの講座・個別指導を行うほか、企業研修や予備校講師の指導も行う。専門家サイト・オールアバウト「記憶術」ガイド。主な著書に『「1分スピード記憶」勉強法』(三笠書房)、『合格る技術』『合格る思考』(すばる舎)、『速読勉強術』『絶妙な聞き方』(PHP文庫)、『暗記が苦手な人の3ステップ記憶勉強術』(実務教育出版)、『速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術』(東洋経済新報社)など多数。
ホームページ:www.utsude.com
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