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ワンランク上の「敬語」の使い方

2016年05月13日 公開
2023年05月16日 更新

村上英記(敬語アドバイザー)

敬語は「ちょっとした言い換え」で印象が変わる

 

『THE21』の読者ならば、敬語の基礎はできていることだろう。しかし、よく使う表現だからこそ、意外な落とし穴がある。たとえば、敬語を必要以上に使いすぎると他人行儀に感じられることもある。また、多くの人が使っている敬語表現でも、実は本来伝えたい意味を鑑みると、他の表現に言い換えたほうがいい場合も。ここではそうした敬語の「ひと工夫」について紹介しよう。《取材・構成=前田はるみ》

 

使い古された表現も、ひと言添えるだけで新鮮に

普段あまり疑問に思わず使っている敬語にも、相手が違和感を覚える言葉があるかもしれません。たとえば、「お世話になっております」「お疲れ様です」などは頻繁に使いがちですが、決まり文句のように使われると、「心がこもっていない」と感じる人もいます。
使い古された表現は、少し工夫して「いつもお世話になっており、誠にありがとうございます」「お疲れ様です。お気をつけください」など相手に寄り添う言葉を加えるなど、自分の言葉にするだけで、相手に新鮮なイメージを与えることができます。

また、せっかく丁寧な敬語を使っても、そこに「みたく」「~とか」「すごい」「正直言って」「私的」などの若者が使いがちな言葉が混じると、せっかくの敬語が台無しになってしまいます。
たとえば「私的には~」「うちの会社的には~」は、「私としては」「弊社としては」のように言い換えたほうが全体のバランスがよく好印象です。ほかにも「みたく」を「~のように」、「すごく」を「とても」のように言い換えるなど、全体をフォーマルな言葉に統一すれば、ワンランク上の敬語になるでしょう。

 

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「上下を意識させる言葉」に注意 >

著者紹介

村上英記(むらかみ・ひでき)

敬語アドバイザー

1969年、東京都生まれ。東京大学大学院教育学研究科修了(専門は日本語教育)。外国人への日本語教育に長く携わる。2004年に開始したまぐまぐ!メールマガジン「ビジネスマンのわかりやすい!基礎敬語講座」は、まぐまぐ!殿堂入り。著書に、『ビジネスメール言い換え辞典』(日本実業出版社)、『ひと目でわかる敬語かんたんルール』(池田書店)など。

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