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40代からの「カラダ」見直し術

2016年03月14日 公開
2023年05月16日 更新

白澤卓二(白澤抗加齢医学研究所所長)

 

筋トレより「歩く」ほうが効果的

 現代人の多くは、便利な生活に慣れきって運動不足の傾向にあります。とくに長年、デスクワークを続けているビジネスマンは、足腰の衰えが引き起こす背骨のゆがみ、それを原因とする腰痛や肩こりが顕著になってきます。

 40代が近づいてきたら意識してほしいのが「背骨」回りを鍛えることです。40歳頃から、背骨の骨と骨の間にある椎間板というクッション組織が軟化してきます。それによって椎間板が骨に押し出されて神経を刺激し、腰痛を発症しやすくなるのです。椎間板組織の変性は加齢現象ですが、背骨の筋肉がしっかりさえしていれば、筋肉が骨を支えるので椎間板を守ることができるのです。

 背骨回りを守る運動として効果的なのが「歩く」ことです。足を左右交互に出して骨盤を回転させることで、背骨のゆがみが矯正されていきます。また、脳への血流が良くなるので脳の機能が活性化し、カロリーも消費されます。単純なことですが、「歩く」ことは最良の健康法なのです。

 また、電車通勤の方にお勧めなのが、あえて大きなターミナル駅を乗換駅にすること。歩く距離が自然に増えることに加え、階段を利用することで、階段の上り下りをエクササイズにできるのです。階段の上り下りは、平地を歩くのに比べて、下半身の筋肉と骨におよそ3倍の負荷がかかります。このように少し負荷のかかる階段エクササイズを、日常生活に効果的に取り入れるといいでしょう。

 一方、筋トレはあまりお勧めしません。筋トレは一方向に筋肉を使う反復運動なので、偏った筋肉がつきがち。やはり、バランス良く身体を使うことが大切です。

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著者紹介

白澤卓二(しらさわ・たくじ)

白澤抗加齢医学研究所所長・医学博士

1958年、神奈川県生まれ。1982年に千葉大学医学部を卒業後、東京都老人総合研究所分子病理部門研究員、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007~15年、順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。15年より、米国ミシガン大学医学部客員教授。専門は、寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学・分子生理学、アスリートの遺伝子研究など。テレビ、雑誌、講演、書籍などでの老化防止対策のわかりやすい解説に定評がある。
日本抗加齢(アンチエイジング)医学会理事。主な著書に『100歳までボケない101の方法』(文春新書)、『2週間で効果がでる!〈白澤式〉ケトン食事法j(かんき出版)、『「砂糖」をやめれば10歳若返る』(KKベストセラーズ)など。

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