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「A5ランクが一番おいしい肉」はウソだった!

2016年02月22日 公開
2016年02月26日 更新

千葉祐士(門崎熟成肉・格之進オーナー)

肉フェス4連覇のプロが語る「お肉の常識・非常識」

近年は空前の「肉」ブーム。焼き肉店はどこも盛況で、A5ランクの国産牛を謳う店、話題の「熟成肉」を扱う店など、バラエティも広がっている。だが、『和牛の真髄を食らい尽くす』の著者であり、人気焼き肉店の経営者として黒毛和牛の魅力を伝え続けている千葉祐士氏は、「日本人の多くが、間違った肉の常識にとらわれている」という。それはどういうことなのか、ご寄稿いただいた。

 

今、「肉フェス」が大人気に!

巷では、空前のお肉ブームが起きています。

昨年1年間だけでも、国内外のお肉料理を集めた国内最大イヴェント「肉フェス」は、春と秋の2回、東京(駒沢公園)、千葉(幕張)、横須賀、新潟、三重等で開催され、延べ200万人もが集まりました。今年の正月には大阪ドームでも開催され、ここでも約7万人が入場し肉の味を楽しんでいます。

私はこれらの大会に「黒毛和牛」「熟成肉」「塊焼き」を旗印に出店し、4大会連続で総合優勝を飾ることができました。

それもこれも、「黒毛和牛」の魅力あってこそのこと。私は、このお肉ブームのど真ん中で、日本の宝である黒毛和牛の魅力を語り続けることを使命とし、その本当の美味しさを読者(消費者)に伝えたい一心で活動をしています。


「肉フェス」表彰式にて

 

「A5ランク」はおいしさの基準ではない!?

ブームが起きると一時市場は沸き返りますが、えてして間違った情報が流れたり、まがい物が氾濫したりします。例を挙げれば、「一番おいしいのはA5ランクの肉」という、「常識」があります。

私が、A5ランクがお肉の美味しさを示す評価基準ではないと言うと、ほとんどの方が驚きます。なぜならA5とは、その牛の枝肉の歩留り量が多いかどうかと、霜降りの見た目の評価に過ぎないからです。

そう言うと、「肉質がやっぱりうまさの決め手では?」と思うかもしれません。しかし、たとえサシがたくさん入った霜降りでも、脂の質で旨さは大きく異なります。そこには見ただけでは決められない、血統や飼料などの要素が大きく影響しているのです。

こうしたお肉の真実を知ると、これまでのお肉の常識がいかに脆いものだったかわかると思います。

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著者紹介

千葉祐士(ちば・ますお)

門崎熟成肉・格之進オーナー

1971年、岩手県一関市生まれ。27歳で脱サラし1999年故郷で焼き肉店「格之進」を開業。実家の牧場の牛を一頭買いし、熟成肉とコース料理を切り札に人気店となる。2002年から黒毛和牛の熟成に向き合い「門崎熟成肉」というブランドを立ち上げ、加工〜流通までを一貫して担う。現在は六本木2店舗、代々木八幡、桜台、一関に7店舗展開している。

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