2016年04月04日 公開
2023年05月16日 更新
課長とは、チーム全体を見て、部下指導をし、予算など部門の数字も管理しなければならない立場だ。マネジャー、リーダーとしての適性も試されているが、やってしまいがちな「ダメ課長」の失敗例を集めてみた。《イラスト=タカハラユウスケ》
3月号の取材を進める中で明らかになったのは、「課長の仕事は一昔前に比べて難易度が上がっている」ということだ。
まず、右肩上がりで成長していた時代とは異なり、かつてより少人数で業務をこなさねばならず、管理職の人数そのものも減少している。部下の育成についても、「仕事は見て覚えろ」とはいかず、きつく叱ればパワハラ扱いされる恐れも。
また、今どきの課長の多くはプレイングマネージャーとして、チームマネジメントと部下育成をしつつ、自身で成果を出すことも求められる。
さらに言えば、ずっと同じビジネスをしているだけでは生き残れない時代。新規事業開拓や新しいビジネスを考えるのも課長クラスの重要な仕事だろう。今の時代の課長はとても忙しく、さまざまなスキルが求められている。
総力特集第3部では、「新しい『課長』の教科書」として課長に必要な5つのスキル・能力を高めるための方法を専門家にうかがった。その一方、「やってしまいがちな課長の失敗」も明らかに。
ここで紹介するのはそんなありがちな「ダメ課長」の失敗例。あてはまるものがないかどうか、わが身を振り返ってみよう。
「今日、残業してほしいんだけど」
朝イチから残業前提で部下に指示、自分もいつまでも会社に残っている課長。人件費などのコスト感覚、マネジメント適性、またコンプライアンスの意識も薄い可能性がある。「会社にいると仕事をしているつもりになれる」というタイプも多いが、本当にチーム全体の仕事がうまく回っていないケースもあり、根本的な意識改革が必要だ。
→社員の労働時間には給与が発生している。業務時間内に仕事を終えるようチームを導くのもマネジメントの一つだ。
「これが会社の方針だから」
経営層や会社方針について、詳しい説明も自分の考えの補足もなくそのまま伝えるだけの課長。いくら「会社の方針」と言っても、それを「何のためにやるのか」「どのように成し遂げるのか」部下に説明するのも課長の仕事の一つ。とくに、自分も納得できていない方針の場合は、部下にどう動いてもらうか、課長の器が問われる。
→目の前の仕事の意義を認識させることも重要な仕事。上の方針について100%納得ができなくても、部下にはきちんと説明しよう。
「課としてこういう成果を出しました、ハイ」
あからさまに手柄を「横取り」する課長は少ないかもしれないが、部下の出した成果をきちんと上に伝えられていない場合は多いのではないか。または、部下の手柄として伝えたつもりでも、「指導したのが自分である」ことから、その中の自分の功績をちゃっかりアピールしている、というケースもある。悪意がないだけに厄介だ。
→部下が直接、課長より上の上司にアピールする機会は少ない。部下のモチベーションアップのためにも積極的に課長からアピールを。
更新:10月14日 00:05