2016年04月04日 公開
2023年05月16日 更新
「私が若い頃には……」
自分の経験や実績を語り、「だからキミもこうするべきだよ」と言ってくる課長。ただ自慢したいだけなら部下も話半分に聞き流せばいいが、厄介なのは本当に良かれと思ってアドバイスのつもりで言ってくるケースだ。昔と今ではやり方が違い、その方法が当てはまらないケースだから悩んでいるのに……とは部下も言えずに困るだろう。
→経験をもとにアドバイスをするのが悪いわけではないが、まずは部下の話を聞き、今最適な方法を考えよう。
「いや、そうじゃなくて、これはこうやって……」
部下が自主的にやろうとしているのに、不安で任せることができず、つい口出し・手出ししてしまう課長。一見すると優しく、部下思いの言動に見えたりするが、実は「部下が失敗すれば自分の評価が下がるかも」という不安から来る自己保身の言動に過ぎないことが多い。しかし、結局それでは部下は育たず、チームとしても成長しない。
→「任せる」ことで人は育つ。コミュニケーションとフォローを忘れず、部下を信じて任せてみよう。
「お前は本当にダメだな」
ほめるべき場面でほめず、叱るときも感情的に「怒り」をぶつけてしまう課長。叱り方で迷う課長は多いが、一番良くないのはこのように、相手の人格を全否定するような言葉を投げつけることだ。叱る目的とは、同じ失敗を繰り返させないよう改善させることで、相手を凹ませることではないはずだが、そこを勘違いしているケースも。
→人格を否定する発言は論外、パワハラに等しい。「怒る」ではなく「叱る」とはどういうことか、考えてみるべきだ。
「あれもこれも、私がやらなきゃ。あー忙しい」
プレイングマネージャーとして、ただでさえ忙しい課長。部下にできる仕事はなるべく部下に担当してもらいたいものだが、実際には「任せる」ことができずに、課長自身が抱え込んでしまっているケースが多い。こうなると、課長が忙しすぎてコミュニケーションもろくに取れないことになり、チーム全体の進捗が滞ってしまう。
→「部下にもできる仕事」や「部下がやったほうが速い仕事」を自分で抱え込んでいないか? 仕事を棚卸ししてみよう。
「なんとなくこのくらいまでで頼むよ」
経験則と勘でさまざまなことを判断して乗り切ってきた課長にありがちなケース。指示や説明があいまいで、部下にまったく伝わらない。数字やロジカルシンキングが苦手なので、たとえば「値引きしても利益が出る範囲と、そうでない限界値を数字で示さねばならない」ときなどに、なんとなくの経験則だけで語ってしまう。
→経験則と勘で自分は納得できても、それらを持たない部下は納得できない。指示や説明は明確に、相手の立場に立って。
《『THE21』2016年3月号より》
更新:11月23日 00:05