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儲けようとしなくても儲かる「のんびり投資」とは?

2016年01月28日 公開
2023年05月16日 更新

澤上篤人(さわかみ投信取締役会長)

「絶対につぶれない企業」を選べ!

驚異的な運用成績を上げ続ける「さわかみファンド」。その代表である澤上篤人氏が提唱するのが「のんびり投資」だ。日々の株価の上がり下がりに一喜一憂せず、のんびり構えてしっかり利益を出す。むしろ「株価暴落の時こそチャンス」なのだという。著書『将来が不安なら、貯金よりのんびり投資』を発刊した澤上氏が教えるその極意とは?

 

株式投資とは、企業への「応援」

2008年9月のリーマンショックでは、日経平均株価は7000円台にまで暴落しました。ここまで大規模でなくても、年に2〜3回ぐらいは暴落現象というものが起きるものです。

私は株式投資とは、投資先の企業を「応援」することだと考えています。その企業の存在や商品が世の中を良くすることができる、だから投資をすることで応援をする。それが、私の投資スタンスです。

ただ、暴落時には私たちが応援したいと思っている企業の株もそうでない株も、十把ひとからげでたたき売りに遭い、株価は暴落します。すると、短期志向の投資家や強欲な企業に株を買い占められてしまう危険性が出てくるのです。

それまで社会や生活者のために必死にがんばっていた企業が、短期志向の投資家や強欲企業に利益を搾り取られ、めちゃくちゃにされてしまうことは大いに考えられます。もしそうなったら、自分が望む社会も実現できなくなってしまいます。

 

暴落時こそ「真打ちの応援団の出番」

ですから、相場が暴落して株が二束三文で売られているときこそ、「真打ちの応援団の出番」という心意気で、むしろ積極的に買いを入れて企業に応援メッセージを届ける。そうすることで、その企業の経営をなんとか守ってあげることが大切なのです。

もちろん、私たち一般生活者が一人で投資できるお金はたかが知れています。でも、そうした生活者が束になって、「この企業の経営を守るのだ」という強い意志と覚悟で立ち向かったらどうなると思いますか? 株価は下支えされ、目先の利益追求にしか興味のない株主の登場を阻止できるのです。そして、その企業は目指すべき将来の実現に向けて、事業を継続していくことができます。

私がいう本当の(株式)投資とは、そういう「応援投資」のことなのです。そこには、儲けようとか、お金を分捕るとかいう考えの入る余地は1ミリもありません。

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著者紹介

澤上篤人(さわかみ・あつと)

さわかみ投信取締役会長

さわかみ投信取締役会長、さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ一般財団法人代表理事。
1947年、愛知県名古屋市生まれ。70年から74年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後、80年から96年までピクテ・ジャパン( 現・ピクテ投信) 代表取締役を務める。96年にさわかみ投資顧問を設立、99 年には日本初の独立系投資信託会社であるさわかみ投信を設立。長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を運営している。同社の投信はこの1本のみで、純資産は約3000億円、顧客数は11万人を超え、日本における長期運用のパイオニアとして熱い支持を集めている。著書に、『2020年に大差がつく長期投資』(産経新聞出版)、『国債が暴落しても長期投資家は平気だよ』(日経BP社)、『長期投資はじめの一歩』(廣済堂出版)ほか多数。

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