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優秀な人を「やめさせない」人事評価制度とは?

2015年12月21日 公開
2023年05月16日 更新

山元浩二(日本人事経営研究室代表取締役)

設計と運用の重要度は2対8

ステップ3は「人事評価制度を運用する」です。

ここで運用のためのプロセスとコツをきちんと押さえておかなければ、どんなに立派な人事評価制度ができても、形だけのものとなってしまい、多くの社員が辞めていってしまうことになりかねません。設計と運用の重要度は2対8ですので、制度づくり以上に大切なところと理解し、気を引き締めて取り組んでください。

まず、人事評価制度の運用は「①評価の実施」「②育成会議」「③育成面談」「④目標設定」「⑤毎月コツコツ面談」という5つのプロセスで繰り返されます。具体的には、評価者(リーダー)が評価基準に基づき被評価者(部下)ごとに評価結果をまとめ(①)、評価者同士の評価結果のバラツキを調整します(②)。その後は、評価結果を被評価者に伝えて次の目標を明らかにします(③)。あとは育成面談で決めた目標の達成レベルとプロセスを定めて(④)、評価者が被評価者の目標や役割の達成度を毎月チェックするのです(⑤)。

この5つのプロセスにはPDCAがサイクルとして組み込まれているので、一連の流れを行うことで、社員が自ら成長していきます。

ただし、運用する前には必ず「トライアル評価」という本番前の練習評価を行なうことをオススメします。なぜなら、人事評価制度改革には社員の不満が付き物だからです。トライアル評価で制度のダメ出しと社員からの不満をしっかりと受け止め、評価手順や評価基準の微調整を行ってください。最低3回は実施しましょう。

ほかにも「納得度アンケート」など人事評価制度で成果を出すサポートの仕組みもあるので興味がある方は試してみるといいでしょう。ここまでが人事評価制度づくりの基本的な流れです。もう少し詳しく知りたいという方は、ぜひ私の著書である『図解 3ステップでできる 小さな会社の人を育てる「人事評価制度」のつくり方』を手に取ってみてください。

著者紹介

山元浩二(やまもと・こうじ)

日本人事経営研究室代表取締役

1966 年、福岡県生まれ。10 年間を費やし、1000 社以上の人事制度を研究。理念とビジョンを実現するための人材を育成する「ビジョン実現型経営計画」を開発、独自の理論をコンサルティングで展開する。「経営計画」と「人事評価制度」の設計・導入から運用まで支援するスタイルが特徴で、社員の納得度が9 割を超えるなど、経営者と社員双方の満足度が極めて高いコンサルティングを実現。その驚異的な運用実績が評判を呼び、人材育成や組織づくりに悩む中小企業からオファーが殺到、530社超のコンサルティング導入実績を誇る。
著書に、『小さな会社の〈人を育てる〉賃金制度のつくり方 「やる気のある社員」が辞めない給与・賞与の決め方・変え方』、『なぜか女性が辞めない 小さな会社の人事評価の仕組み』どがある。

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