2016年01月05日 公開
2023年05月16日 更新
「ありがとう」より「うれしい」を使う
同じことをしていても、相手に好かれる人と好かれない人がいます。その違いの1つは言葉遣いにあります。
たとえば、同じように感謝を伝えるときでも、「ありがとう」と言うよりも、「うれしい」と言うほうが、好感度が高まります。心理学では「I(アイ)メッセージ」と言いますが、「私はこう思っている」と自分の内心を開示することが人間関係をスムーズにするのです。
優秀な人ほど、相手の期待に応えるため、相手がどう思っているのかを探る努力をしています。そこで「うれしい」という感情を伝えることは、強い印象を与えることになります。そもそも、多くの人は、誰かの幸せや喜びに貢献できることを誇りに思うもの。口数が少なくても、「うれしい」というひと言で好感度を上げられます。
3つの「珍事件」を用意しておく
雑談をするとき、とくに男性には、自分のこだわりを長々と語ってしまう人が少なくありません。これでは相手は良い印象を持ちません。一方、印象の良い人は、自分の失敗談をよくしています。人間らしい面を知ることができるので、相手が関心を持つのです。
雑談をするなら失敗談(ちょっとした珍事件)。いつでも話せるように、あらかじめ用意しておくといいでしょう。1つだけでは相手の反応が悪いこともありますが、3つも話せば「クスッ」となります。
自己紹介をしたり同僚を紹介したりするときに、キャッチフレーズをつけて紹介することで、雑談の取っかかりを作るという方法もあります。「コピー界のボルトです(コピーを取るのがものすごく速い)」などと紹介すると、相手の印象に残りやすくもなります。
服装は好み3割、役割7割
服装を自分の好みで選んでしまっている人は少なくありません。かといって、新入社員のように、みんながみんな同じ格好をすればいいというものでもありません。職種や接する顧客などによって、ふさわしい服装は違います。たとえば、同じ不動産業者でも、億ションを販売する営業マンと、賃貸のワンルームの仲介業者では、顧客から信頼される服装や持ち物が違うはず。職場での役職によっても、ふさわしい格好は変わってくるでしょう。
大事なプレゼンの日だからといって、もうくたびれているのに、高級シャツを着る人もいます。大事なのは相手からどう見えるかですから、量販店の安いものであっても、おろしたてを着るべき。値段や好みではなく、相手の期待に応えられるかで選びましょう。
「次はお願いしますね」と年上にごちそうする
新人なら、年上の人にごちそうしてもらうだけでもいいでしょう。けれども中堅になれば、時には年上の相手にも気持ち良くごちそうしたいところ。そういう年下の人を、年上の人はかわいく感じるものです。もちろん、「おごってあげる」という態度はNG。「今日は出させてください。次はお願いしますね」とひと言かければ、相手は気持ちよく受け入れられるでしょう。「どうしても」と譲らない人の場合は、「実は宝くじが当たっちゃったんですよ」などと言ってみてはどうでしょう。嘘も方便です。相手も冗談だとわかりながら、「それなら」と受け入れてくれるでしょう。
接待や懇親会などの場合は、相手が見えないところで、さりげなく会計をすますのが大人です。
仕草でオーダーする
接待の席でもてなされる側は、もてなす側とお店の人とのやり取りが、意外と気になっているものです。自分には丁寧に接しているのに、お店の人にはアゴで使うような態度を取っているのを見ると、本性をかいま見たような気がしてしまいます。お店の人にも丁寧な接し方をするようにしましょう。
接待の場の雰囲気を乱さないようにするには、オーダーする際など、お店の人を呼ぶときに仕草だけで呼ぶことも大切。手を挙げる、目配せをするなどして、「すみませ~ん!」と大きな声を出さないようにするのです。
どうしても気づいてもらえない場合は、「お願いします」という言葉で呼ぶこと。「すみません」よりもスマートな印象になります。
《取材・構成:西澤まどか》
《『THE21』2015年12月号》