2015年12月11日 公開
2023年05月16日 更新
接待は昼間のビジネスモードと切り分けて、人対人の親しい関係を作る場。やたらと仕事の話を持ちかけるのは野暮です。もし、仕事の話をする必要があるなら、料理をおおかた食べ終え、デザートが出てくるまでの間、「最後にお仕事の話を少しだけよろしいですか」などと切り出しましょう。資料はその場では出さず、「お帰りのときに詳しい資料をお渡しさせていただきます」と言い添えて、お土産の袋に入れて渡すとスマートです。
デザートを食べ終える頃にタイミングを見計らって、幹事がトイレに立つふりをして会計をすませましょう。その後、10~15分ほどお茶を飲みながら歓談し、お開きとなります。
和食の場合、お茶が出て、ほぼ飲み終えたあたりがお開きのタイミング。上司から「そろそろみなさん明日のご予定もあるかと思いますので……。今日は貴重なお時間をいただきありがとうございました」などと終了の挨拶を。上司が気づかない場合、こっそりと時計を指さしたり、耳打ちするなどして場を興ざめさせないように。そうならないためにも、終わりのタイミングを上司と事前に打ち合わせておきましょう。
持ち運びしやすく、ご家族に喜ばれるようなお土産がお勧めです。たとえば、季節の果物。秋冬なら高級な柿やラ・フランスを2~3個、春ならさくらんぼやいちごを1箱。お菓子なら、年配の方は老舗のものを、女性は話題の品や限定品が喜ばれます。金額は3,000~5,000円程度が目安。役員クラスの場合は1万円以上もあります。渡すタイミングは別れ際。最初にお店に預けておくなどして会の間はわからないようにし、お店を出たところやタクシーに乗る直前に「どうぞご自宅で召し上がってください」と手渡します。必須ではありませんが、用意したほうがベターです。
おもてなしされる側として、一番大切なのは、「美味しく食べて、場を楽しむこと」。料理やサービスに不満を漏らしたり、食べ物を多く残したりするのは、礼儀にかないません。接待する側は、何日も前から打ち合わせや下見を重ねて準備をしています。その思いを汲んで、喜んで接待を楽しむ気持ちが大切です。
また、ここぞとばかりに目が飛び出さんばかりの高いお酒を頼むのも考えモノです。相手にも予算がありますから、ほどほどの価格と量に収める節度を。ワインなど価格がわからないものを幹事から促され選ばなくてはならない場合は、「お料理に合うお勧めのものを」とお店の人に伝えるのがスマート。するとソムリエが、設定されたコース料理の価格に合う価格のワインを選んでくれるはずです。また、メニューリストの上から2番目のものを選ぶのも安全パイです。
《取材・構成:麻生泰子》
《『THE21』12月号より》
更新:11月22日 00:05