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「つまらないデータ」を「特別なアイデア」に変える3つの技とは

2015年11月17日 公開
2023年05月16日 更新

三谷宏治(金沢工業大学虎ノ門大学院教授)

『発想力の全技法』(PHP文庫)

 

いま求められる”発見力”

 社会人になって丸1年も経つと、同期の中でも「差」が出てきます。もう数年も経てば、それは決定的なものとなり、さらに恐ろしいことに気づきます。

「もう28歳だ。これまでひたすら尊敬する上司を追いかけてきた。でもあの人の28歳の頃に、自分は全然追いつけてない……」

 上司との差は、経験の差だと思っていた。同期との差は、配属された職場やプロジェクトの差だと思っていた。だけど、違うのです。それは、同じ経験(や事象)から、何を見つけ、学び取れるかの発見力の差なのです。

 毎朝、新聞を斜め読みし、週末には1~2冊のビジネス誌に目を通す。ネットで情報収集といっても、ポータルサイトやまとめニュースのトップに出てくるものを適当にクリックするくらい。記事の出典を辿って英語の原文にまで遡ることは滅多にない……。

 たいていそんなものです。経験量や情報量自体で、何倍もの大きな差がつくはずがありません。ヒトは等しく24時間を与えられ、いまやほとんどの情報に、万人がアクセスできる時代なのですから。

 なのに、ヒトのスキルや英知には、何倍・何十倍もの差がつきます。

 

発想力は鍛えられる
~私の「発想力の全技法」

 電車の吊り広告に、街行く人々のファッションに、取引先との会話の中に、面白い洞察につながる情報が潜んでいます。そんな貴重な瞬間が、1日に何十回とあなたを訪れていますが、それに気がつくかどうか、それをものにできるかどうかは、あなた次第です。

 それらを発見し、吟味・分析することで、個人としての発想力はもちろん、仕事の上でも大きなジャンプを得られるでしょう。

 そのための「発見と探究」の3つの技がこれです。

 

 1 「比べる」:例外や周縁と比べ、矛盾や変化から見つける

 2 「ハカる」:行動で、プロの勘で、バラして見つける

 3 「空間で観る(JAH法)」:発見を軸値巾で探究して組み合わせる

 

 この3つが私の発想の(ほぼ)すべてです。発想力にはこの3つの基本技で十分です。

 

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著者紹介

三谷宏治(みたに・こうじ)

K.I.T.〔金沢工業大学〕虎ノ門大学院教授

1964年大阪生まれ、福井育ち。東京大学理学部物理学科卒業後、外資系コンサルティング会社に就職。以来19年半、ボストンコンサルティング グループ、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEAD(仏フォンテーヌブロー校)で経営学修士(MBA)修了。
仕事と並行して28歳頃から社会人教育に携わり始め、32歳からグロービスで「経営戦略」などの講師を務める。06年から教育の世界に転じ、地元小学校でのPTA会長などを経て、07年からK.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授を務める。同時に、「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマにした授業や講演で全国を飛び回る。年間7,000人以上の社会人・子ども・保護者・教員に接している。現在K.I.T. 虎ノ門大学院教授の他に、早稲田大学ビジネススクール客員教授、グロービス経営大学院 客員教授、放課後NPOアフタースクール 理事、NPO法人3keys理事、永平寺ふるさと大使を務める。

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