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プロが語る「ロゴマーク」の本当の役割とは?

2015年10月26日 公開
2015年10月26日 更新

津久井将信(ビズアップ代表取締役)

ロゴマークの役割〈A〉
「経営者やスタッフのモチベーションや帰属意識を高める」

国旗やプロスポーツチームのロゴのように、ロゴマークがあることでモチベーションを高めたり、スタッフの帰属意識を高めることが可能だと考えられます。私たちのお客さまにも、辛い時や苦しい時に、創業当初に作ったロゴを見て初心に帰ったり、やる気を出すという方がたくさんいらっしゃいます。創業してまもなく、あの3.11の大震災により仕事がなくなるという事態に見まわれた弊社のお客さまは次のようなメッセージをくださいました。

「われわれがこのロゴマークを見るたびに、設立したての苦しい時期を乗り越えた事を思い出し、あの忌まわしき大震災を思い出し、生き返る、再生、終わりがない成長や挑戦を忘れない為のシンボルになりました。ロゴマークを見るたびに原点に戻れる、モチベーションがあがる、それこそがロゴマークデザインの使命だと思います。本当にありがとうございました」
※一部抜粋。ホームページで全文をご覧いただけます。「お客さまからいただいたメール- ロゴの使命-」より

 

ロゴマークの役割〈B〉
「会社・商品・サービスへの想いをお客さまや取引先などに知ってもらう」

ロゴをデザインする際に、しっかりとしたコンセプトをディレクターやデザイナーに伝えていただくと、次のようなメリットがあります。

・どのような思いで会社を運営したり、商品、サービスを提供しているかを、お客さまや取引先などに知ってもらうことができる。また、それを社内で統一することができる

ロゴマーク完成後は、どのようにしてそのロゴマークができあがったのか、どんな想いからできあがったのかなどを、ぜひスタッフの方々と共有してください。そうすることで、スタッフによって今まで社外にバラバラに伝えていたことが、ひとつの軸を持ちはじめます。

弊社でロゴを作成くださった大妻中学高等学校さまは、以下のようなコメントをくださっています。

「今までは、『あなたの学校はどんなところ?』と聞かれても、職員によって言うことがバラバラだったり、その時々で言うことが微妙に違ったりしました。でも、このロゴマークはそもそも『理念を作り上げること』からスタートし、それを図形化したものから出来上がったロゴですから、ロゴマークの説明をこのコンセプトシートを見せながらするだけで良くなったんです」

著者紹介

津久井将信(つくい・まさのぶ)

ビズアップ代表取締役

1976年生まれ、東京都練馬区出身。横浜国立大学経営学部卒。
少年期に人に自分の存在感や存在価値を認めてもらいたいということばかり考えて過ごした結果、存在のシンボル「ロゴマーク」の専門デザイン会社で起業。9年間で業界平均3~5倍の1万以上のクライアントからロゴ作成を受注。あわせて腕が良いのに日の目を浴びないデザイナーを発掘し、テレビ出演を果たしたデザイナーや作品が本に掲載されるほどのデザイナーを多数輩出。

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