2015年09月29日 公開
2023年05月16日 更新
「時間ばかりかかって、なかなか結論が出ない」「同じ議題が繰り返されて堂々巡りする」「決めた内容が次のアクションに結び付かない」……会議についてよく挙げられる悩みだ。だがこうした問題は、「会議の記録のやり方」を変えることで、大きく改善できる可能性がある。
その新しい記録のやり方が『ファシリテーショングラフィック』。その名の通り、絵や図を用いて行なうファシリテーションの手法だ。
ファシリテーターを務める人物がその会議で話された内容や起こっていることをリアルタイムで可視化して、議論を活性化させていく。絵を描くだけで本当に会議全体が変わるの? と疑問を持つ人もいるかもしれない。しかし、視覚の効果は、想像以上に大きな変化を会議全体にもたらす。
自分の発言内容が目に見える形で反映されていけば、発言者は自分の意見が受け入れられたと感じて、より主体性を持つようになる。また、参加者全員が方向性を確認しながら議論を進めることが容易になる。
そして何より、会議の雰囲気がそれまでとは大きく変わる。硬直して、発言しづらかった空気が、明るく楽しい色使いとイラストによって、本来、会議というものが持っている「新しいものを生み出すワクワク感」を取り戻していく。
もちろん、この手法をマスターするには、それなりのトレーニングが必要になってくる。しかし、「大事なポイントの強調の仕方」「会議の流れを把握しやすくする方法」「参加していない人に情報を共有する方法」といったポイントについては、習熟しなくても活かすことが可能だ。会議を主導する立場の人なら、ぜひ一度知っておくべき技法といえる。
人に行動を促すのは、論理ではなく感情だ。だから、次のアクションにつながる会議にするには、無味乾燥な議事録ではなく、より感情に訴える記録方法が必要なのである。
本セミナーの内容も、楽しい色と絵で記録・共有されていった
NPO法人アイデア創発コミュニティ推進機構(iCON)とは
アイデア創発に必要なヒト、モノ、プロセス、環境の提供を通して、社会課題の解決を目指すNPO団体。アイデアとファシリテーションの分野で活躍する専門家たちがアイデアを生み出す様々な手法や場を広めることで、創造的でイノベーティブな社会の実現を目指している。ファシリテーターの育成や、社会課題をアイデアの力で解決するワークショップを定期的に開催している。
また、2015年9月5日には、『アイデア創発フォーラム2015』を開催。iCONのファシリテーターとともに、『考具』などの著書で知られるアイデア創出のオーソリティ・(株)博報堂の加藤昌治氏が基調講演を行なった。企業の第一線で活躍するビジネスパーソンやフリーランサーなど、感度の高い参加者が集い、会場は明るい熱気に包まれた。各種メソッドの体験、100人規模のブレインストーミングが行われるなど、ほかにはない規模の「アイデアの見本市」となった。
http://i-con.or.jp/
更新:11月22日 00:05