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現役大学教授が教える「お金持ちになれる投資戦略」とは?

2015年07月07日 公開
2023年05月16日 更新

榊原正幸(青山学院大学教授)

株価は3万円、4万円になる可能性も

ところで、これからインフレで円の価値が下がってくるとすると、ドルへの投資はどうなのでしょうか?

「悪くないですね。ただ、私がよりお勧めしたいのは金(きん)です。というのは、金の価格はドルベースで動いているので、実質的には金を買うことはドルを買うことと一緒だからです。そして、ドルは刷りすぎの可能性もありますが、金は量が増えないのでドルよりも値崩れしにくいのです」

金価格は上昇が続いており、割高な印象があります。

「ただ、それは円ベースですよね。実はドルベースの金価格は、ここ2年くらい横ばいか少し下落気味です。円が下落したから金価格が上がったように見えるだけなのです。ただ、金という投資は基本、『年金代わり』です。投資してお金を増やすというより、コツコツ貯めておいて、定年後に少しずつ取り崩す、というイメージです。資産を増やすという意味では、やはり株式投資などを検討すべきでしょう」

その株価はこれから、どうなるのでしょうか。

「2016年夏の参議院議員選挙までは、基本的には上昇していくものと考えています。それに、その後に強いインフレになってしまったら、もしかしたら3万円、4万円台になることもあり得ます。ただ、その頃にはインフレで、コーヒー代も2倍、3倍になっているかもしれませんね。ただ、現金で持っておくだけでは目減りする一方ですから、株式投資をしておくべきでしょう」

投信はいかがですか?

「現金よりはマシですが、手数料が取られることもあり、私はあまりお勧めしていません。いわゆる不動産投資(自宅とは別にマンションなどを購入し、家賃収入を得る)はお勧めできますが、今後の価格上昇と下落を考えると、不動産価格が底を打つ2022年までは株式投資で運用する、というのがベストだと思います。その詳しい方法については拙著『お金持ちになるための本』をお読みいただければと思います(笑)」

 

「日本崩壊」のリスクはあるのか?

ハイパーインフレにより、日本経済が崩壊するというリスクは?

「日本がジンバブエのようになるかという意味では、可能性は低いと思います。日本はto big to fail、つまり『破綻させるには大きすぎる』というわけで、おそらく何らかの国際協調が入り、破綻は回避されるでしょう。ただ、2倍、3倍のインフレは覚悟しておくべきです」

そのほかに、インフレリスクを回避する方法はありますか?

「手前味噌の話で恐縮ですが、私はフェラーリの大ファンでして、2年半前に2850万でフェラーリを購入しました。これが、本来なら2000万円くらいになってもおかしくないのに、まだ中古価格で2750万円をつけているのです。

なぜ価格が下がらないかというと、フェラーリは世界中で売買される『国際価格』の商品なので、円安になった分、価格がむしろ高くなったのです。同様に絵画やワインといったものも『国際価格』で動くので、もしこうした趣味を持っている人は、これらに投資しておくのも一つの手でしょう。『楽しみながらインフレリスクを回避する』というわけです」

 <インタビュー:本誌編集長 写真:榊 智朗>

著者紹介

榊原正幸(さかきばら・まさゆき)

元青山学院大学大学院教授

1961年、名古屋市生まれ。名古屋大学経済学部、大学院経済学研究科を経て、同大学経済学部助手。その後、渡英して英国レディング大学に入学。帰国後の97年より東北大学経済学部助教授。2003年、東北大学大学院経済学研究科教授。04年、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授。21年3月に退任し、東京・青山を拠点にして、ファイナンシャル教育の普及活動を続けている。著書に『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』(PHPビジネス新書)がある。

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