2014年11月12日 公開
2023年05月16日 更新
《『THE21』2014年11月号より》
HBS (ハーバードビジネススクール)でMBAを取得し、ゴールドマン・サックス、マッキンゼーで仕事をしてきた戸塚隆将氏によると、世界のエリートたちは仕事の基本に忠実で、それを守る習慣を持っているそうだ。誰でも真似できる8つの習慣について教えていただいた。
<取材構成:千葉優子/写真撮影:まるやゆういち>
私が見てきた世界のエリートたちは、仕事において基本に忠実だという共通点があります。普遍的な基本に徹しているからこそ、そこに日頃から積み上げてきた経験や知識、アイデアを組み合わせることで、その人にしかできない応用が効いてくるのです。
たとえば、ゴールドマン・サックスやマッキンゼーの元上司、先輩に加えて、当時案件でご一緒させて頂いた世界的な起業家や大企業のトップ方々。彼らが大規模な投資案件をどうやって決めているのかというと、斬新な思いつきのようでも、実は当たり前の事実を論理的に1つひとつ積み上げた経営判断だった……というケースを数多く目の当たりにしました。
また、多忙な中でどうやって時間を捻出しているのかを見ていると、会社にとって死活問題となる案件には、1週間のうち半分近くの時間を費やすというように、やるべきことに優先順位をつけて対処していました。
彼らは決してスーパーマンではありません。普通の人と同じように与えられた24時間という1日の中で、今一番重要な仕事に多くの時間を集中させているだけなのです。このようにエリートと呼ばれる彼らは、基本に徹することで、そうではない人と大きな差を出しています。しかも、その基本は能力や経験に関係なく、心がけ次第で誰でも真似できるものばかりでした。
それでは、基本を実践するにはどうしたらいいのか。それを考える前に、そもそも基本とは何なのか――。私なりに辿り着いた答えは、「多くの人がすでに知っていること」。その一方で、「成果を大きく左右する本質的で重要なこと」であり、「継続的に実践するのが難しいこと」という3つの要素から成り立つという定義でした。つまり、基本とは知っているだけでは意味がありません。継続的に実践することで差別化されるもの。それこそが基本なのです。
では、基本の輪郭がはっきりしたところで、基本を継続的に実践するにはどうしたらよいのか。エリートと呼ばれる人たちの仕事ぶりには、基本の実践にも「自分の内面に働きかける」という共通点があります。
具体的には、「自信」「責任感」「高い目標」の3つ。それらの要素が相互に影響し合うことで好循環を生み出していたのです。基本を徹底すれば自信が生まれる。自信が深まれば責任感が強まる。責任感が強まれば目標が高まる。そして、高まった目標は次の一歩に向けて、また基本に立ち返らせるのです。
基本とは知っているだけではダメだと再認識し、以下に紹介する8つの習慣のうち、トライしやすいものから実践してみる。すると、いくつかの成果が出て、少しずつ好循環が生まれてきます。その好循環をぐるぐると回しながら大きくすることで、より大きな成果を出せるビジネスパーソンに成長できるはずです。
更新:11月25日 00:05