
SNS上の書評投稿チーム「ツナグ図書館」。本に関わるすべての人を「つなぐ」ことを目的とする彼らは、それぞれどのような思いを抱えて集まったのか。座談会の形式で、本音を語ってもらった。(取材・構成:三井カナ)
※本稿は、『THE21』2026年4月号の内容を一部抜粋・再編集したものです。
※本稿は前後編の前編です。
――本日は今話題の書評チーム「ツナグ図書館」のメンバーの皆さんにお集まりいただきました。まずは自己紹介をお願いできますか。
【ぶっくま】こんにちは。本をつなぐ株式会社代表のぶっくまです。SNSでの書評自体は8年前からエンジニアの仕事と並行して行なってきました。ツナグ図書館は24年11月に始動し、現在は約90名の仲間と共に活動しています。
【なかじ】はじめまして、なかじと申します。以前は鉄道会社で運転士をしていましたが、読書に出会って人生が一変。昨年転職し、今はデザイン制作会社に勤めつつ、ツナグ図書館の活動をしています。
【のーまる】こんにちは、のーまるです。勤務先では総務の仕事をしています。私もなかじさんと同じく、読書が人生の転機=「どん底」から抜け出す契機になりました。今は、本を通じて出会った方々と共に活動し、日々充実しています。
【くもりちゃん】はじめまして。勤務先は伏せて活動しているのですが、本業と並行して、ツナグ図書館の活動と、個人でコーチングサービスを提供しています。以前は美容系の発信をしていましたが、本からの「学び」を投稿すると思いのほか反応が良く、そこから本の紹介を行なうようになりました。発信コンセプトは「上品で聡明な女性になりたい方へ」。どうぞよろしくお願いします!
――個性豊かな皆さんが集うツナグ図書館の誕生経緯についても知りたいです。生みの親のぶっくまさん、設立の動機は?
【ぶっくま】個人で発信していた頃、有難いことに反響が非常に大きく、出版社や著者の方々から感謝の言葉や多くの献本をいただけたんですね。その中で、本の紹介は「三方良し」の活動だと気づきました。読者は本と出会える、著者は影響力が増す、出版社は多くの人に本を届けられる。
その一方で、SNS上には「もっと認知度や発信力を上げられるのに」と感じる発信者もたくさんいます。そんな方々も含めてチームを作り、発信ノウハウを共有しつつ活動できたら、「三方良し」がもっと広がるのではと考え、立ち上げました。
さらに25年1月に、「本に関わるすべての人をつなぐ」をコンセプトにした「本をつなぐプロジェクト」をスタート。ツナグ図書館を含む様々な取り組みを、メンバーと共に進めています。
――メンバーの皆さんは、どんな思いで参加されたのですか?
【なかじ】参加のきっかけは、ぶっくまさんがSNSで「読者と出版社と作者をつなぐ活動を始めます」と投稿されたのを見たことです。これまで運営に携わっていた読書コミュニティが解散した矢先だったこともあり、すぐに応募しました。
チームでの発信はやはり影響力が多大です。言葉が多くの人に届く、その方々が本を手に取る。ぶっくまさんの思いが日々実現していると思いますし、そこに連なれることにやりがいを感じています。
【のーまる】私の参加動機は、3つありました。かねてからぶっくまさんのファンだったこと、仲間と一緒に何かをするのが好きだということ。そして、以前うつ病を経験した際、そこから這い上がれたきっかけが読書だったので、本に恩返ししたくて。
今は多くの方に伝えられる喜びに加え、仲間に役立てる喜びも感じています。メンバー間のチャットの中に「こころの休憩室」というものを作ってメンタルサポートをしているのですが、「発信方法を変えてフォローが増えた」といった声が届くと嬉しいですね。あと、書店に私の名前とアイコンが入ったPOPが掲示されたときも嬉しかったです!家族にも喜んでもらえました。
【くもりちゃん】私は募集告知に気づくのが遅く、応募したのはその2カ月後でしたが、それでも「所属したら貢献できる」と感じました。というのも、私自身に「つなげてもらった」と感じる経験がこれまでなく、「これは社会に必要だ」と自分事として感じたからです。
参加してみると、予想以上の充実感。「くもりちゃんが勧めてくれたから読んだよ」と言っていただくと、その方にはもちろん、世の中にも役立てたと感じます。仲間の存在も心強いですね。一人の発信はともすると目的を見失いがちです。ビジョンを共有するチームは「立ち返るべき原点」であり、とても有難い場所です。
更新:03月20日 00:05