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ストレートネックの原因になる「間違いだらけの座り方」

2012年10月30日 公開
2023年05月16日 更新

木津直昭(KIZUカイロプラクティックグループ代表院長)

 

身体の構造を活かせばラクに正しく座れる

究極の身体にいい座り方「丹田座り」

そして木津氏によれば、基本の身体に負担をかけない座り方をさらに発展させた、究極の「身体にいい座り方」があるのだという。

「『丹田座り』と私は呼んでいるのですが、戦国武将が陣地で、大きく開脚して背筋を伸ばして座っている様子をイメージしてください。自分で真似していただけるとわかると思いますが、へその下にあるといわれる『丹田』が、どっしりと落ち着くような安定感を覚えるはずです。(図)

この座り方は、悪い座り方の例のように、ラクになろうと、身体をどこかに乗せているということがありません。それは、人間がもっている重力に対する素晴らしい構造をうまく利用した座り方だからです」

人の身体がもつ重力に対する素晴らしい構造とは、骨盤のアーチ構造のこと。ご存じのように、アーチ構造は橋などに利用されるほど、上からの重みに対して強い。

このアーチを意識して、しっかりと地面に足をつけて、腰を反らせずに背筋を伸ばして座れば、腰の筋肉や関節、内臓にも負担をかけずに身体を支えることができる。

「このアーチ構造を意識すると、人間の体に正常な軸が必要なことを理解していただけると思います。アーチ橋の一端の柱を少しでもずらした状態を想像してみてください。

ほんの少しずらしただけでも橋は倒壊してしまうでしょう。人間の身体も同じで、正常な軸があるからこそ、バレエダンサーのように飛んだり跳ねたりすることも可能になるのです」

巷で見かける路上に座り込む若者や、電車のつり革にぶら下がるサラリーマンは、この身体の軸がずれてしまっていて、そのズレが蓄積した結果、正しい姿勢を保つことができなくなっているのではないかと木津氏は危惧する。

私たちビジネスマンも、1日のなかで座っている時間の長さを考えたら、「たかが座り方」とは決していっていられない。ぜひ一度、自分の座り方を振り返ってみてはいかがだろうか。

 

木津直昭(きず・ただあき)
KIZUカイロプラクティックグループ代表院長

1962年、東京都生まれ。日本カイロプラクティックカレッジを卒業後、オーストラリア公立マードック大学健康科学部カイロプラクティック・スポーツサイエンス学科を卒業。東京・日本橋で KIZUカイロプラクティックを開業し、ビジネスマンやアスリートをはじめとして、幅広い年齢、職業の人たちの治療に従事。オフィスやIT環境が姿勢などに及ぼす影響について警鐘を鳴らし、知識とノウハウの啓蒙に力を入れている。

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