2012年10月30日 公開
2023年05月16日 更新
自分の姿勢が悪いことに気づけば、ほとんどの人がそれを直そうとすることだろう。だが、そこに大きな落とし穴がある、と木津氏。
「というのも、多くの人が考える『正しい姿勢』は、ほんとうに正しい姿勢とは決していえないからです。もし、ある会社員が、上司から『姿勢が悪いぞ!』と怒られたら、どうするでしょうか。おそらく身体をこわばらせて『気をつけ』の姿勢で座り直すのではないでしょうか。しかし、この『気をつけ』は、いい姿勢などではまったくなく、腰の負担がかえって大きくなる悪い姿勢の1つなのです」
「気をつけ」は、言い換えれば「腰を反らせて、上半身の重さを背筋や関節で支える姿勢」のことだ。やってみると、たしかに一時的に姿勢が安定する感じがする。しかし、この姿勢をとっているあいだ、腰には本来かかる以上の負担がかかり続けている。それによって腰の反りが不自然に強くなり、やがてはじん帯や関節、神経に悪影響を及ぼすこともあるのだという。
この「腰を反らせて、その上に上半身の重さを乗せる体勢」が習慣化してしまったのが、「反り腰」という姿勢だ(図3)。電車を待つ駅のホームやコンビニの本棚の前など、多くの人が立っているところで、この「反り腰」の人をたくさん見かけると木津氏は語る。とくに若い女性に多いが、最近は老若男女を問わず増えているという。
「この姿勢が身体に負担をかけるという自覚のないまま、一時的にラクだからと続けるうちに習慣化してしまった人がほとんどでしょう。ですからまずは、猫背などと同様に、『反り腰』が身体によくない姿勢だということを自覚し、自分がそうなっていないか意識することが第一歩です」
更新:11月22日 00:05