THE21 » マネー » 元プロ野球選手・里崎智也が現役時代に「月10万円の貯金」を続けた理由

元プロ野球選手・里崎智也が現役時代に「月10万円の貯金」を続けた理由

2023年08月04日 公開

里崎智也(野球解説者)

 

お金は墓場に持っていけ!

――尽きないお金の知恵、さらに聞きたいです。先ほどの「4・4・2の法則」ですが、一般的なビジネスパーソンも応用できますか?

【里崎】税金が4割ではなく2割になるでしょうね。「2・4・4」の法則です。つまり、2割税金、4割貯蓄、4割自由に使えます。

年収がこの先も同じなら、10年後に年収の4倍の金額が貯まる計算になります。年収400万円なら、10年後は1600万円です。

――ただ、400万円の4割、年間160万円で暮らすのは......。

【里崎】それはそうですが、そこを目標にしてみたらどうですか。生活費を抑えること自体は、そんなに難しくないです。固定費を安くすればいいだけですから。

ねらい目は家賃と携帯代。都心を離れれば家賃は3万円、携帯も格安プランにすれば1万円は節約できます。あと、いらないサブスクもカットすれば月に4~5万円、年間で50万円ほどの支出がカットできます。

――本当に堅実ですね......。ところで「投資」はしていますか?

【里崎】はい。現役時代に積み立て貯金していた月々10万円が2000万円ほどになっていたので、それを元手に始めました。個別株もやったことがありますが、今は投資信託に切り替えています。証券会社の担当者が「多忙な里崎さんには、インデックス・ファンドの長期保有がいい」と言うので。

――投資をするうえで大切にしていることはありますか?

【里崎】プロの話をちゃんと聞くことです。巷ではよく「証券会社の言いなりになるな」なんて言われますが、あれは噓です。初心者が丸腰で突っ込んだら確実に負けます。

最初はプロのアドバイスを参考に勉強するのがいい。もちろん、アドバイスを鵜呑みにするのではなく自分でもじっくり考えますよ。

――証券会社は、手数料目当てですぐに売買させるとも聞きますが。

【里崎】僕の場合、そういうことは一切ありませんでした。担当者も優秀で信頼できる人です。「手数料が高い。もったいない」というのもナンセンスです。むしろ手数料を払ってでも、色々と教えてくれて、1円でもプラスになるならいいじゃないですか。授業料ですよ。

――すがすがしいです......。

【里崎】せっかくですから、最後にもう1つ。

「お金は墓場まで持っていけないから使い切って死のう。ゼロで死ね」なんて言う人がいますよね。あれは大バカですよ(笑)。だって自分がいつ死ぬか、わからないでしょう? もし使い切ったときに生きていたら悲惨ですよ。

なので、ケチケチしない程度に使って、あとは貯めるのが一番。たとえ使い切れなくたっていいじゃないですか。生きている限り、そして死ぬときも、お金はあっていいものなんです。僕は墓場にお金を持っていきますよ。

(『THE21』2023年9月号特集「インフレ時代の『お金』の新常識」より)

 

著者紹介

里崎智也(野球解説者)(さとざき・ともや)

野球解説者

1976年、徳島県生まれ。鳴門工業高校(現・鳴門渦潮高校)、帝京大学を経て、98年に千葉ロッテマリーンズに入団、捕手として活躍。2度の日本シリーズ優勝に貢献、WBC日本代表として大会ベストナインにも選出される。2014年の現役引退後は野球解説者として活動しながら、YouTubeチャンネル「Satozaki Channel」を運営。著書に『シンプル思考』(集英社新書)などがある。

THE21 購入

 2024年6月号

THE21 2024年6月号

発売日:2024年05月07日
価格(税込):780円

関連記事

編集部のおすすめ

金融資産の中央値は810万円...50代が直面する「老後2000万の壁」はどう超えるか

中野晴啓(セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO)
×