2023年07月05日 公開
2023年12月08日 更新
近年「脳腸相関」という言葉が広まりつつあるように、実は腸には「腸管神経系」という自律的な制御機構があり、脳と相互に影響し合っています。
そんな腸の働きを様々な面からサポートしているのが「腸内細菌」です。つまり、腸の不調を解消したければ、これらの細菌を含む腸内環境を整えることが必要になります。
腸には100兆個〜1000兆個もの腸内細菌が棲みついています。理想のバランスは、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌(善玉菌と悪玉菌のうち、多いほうの菌の味方をする菌)7割。このバランスが乱れて悪玉菌が優勢になると、お腹の張りや下痢、肌荒れといった不調が現れてくるのです。
大切なのは、善玉菌のエサとなるものを積極的に摂ること、特に摂りたいのが次の3つです。
【1】食物繊維
善玉菌の大好物の一つが食物繊維。穀類や野菜、豆、キノコ、海藻などに多く含まれています。食感の問題で調理中に取り除かれてしまう場合もありますが、腸にとっては必須のもの。食物繊維があると善玉菌が活発に働き、身体に良い影響を与える代謝物を生成してくれます。
食物繊維には、水に溶けない「不溶性」と水に溶ける「水溶性」がありますが、身体にとってはどちらも有用。不溶性は便のカサを増やして便通を良くしてくれますし、水溶性は消化物の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑えます。
【2】オリゴ糖
オリゴ糖も善玉菌の大好物です。胃酸で溶けず、小腸でもほとんど吸収されないため大腸まで届き、腸内細菌のエサになります。甘みがあるのにカロリーが低いため、ダイエット中の砂糖代わりにもお勧めです。ただし、消化されにくい分お腹が緩くなりやすいため、摂りすぎには要注意です。
【3】発酵食品
発酵食品は善玉菌そのものを含むため、適度に摂ると善玉菌を腸内で増やしてくれます。悪玉菌の増加を防いだり、腸の蠕動運動(便を先へ押し出していく動き)を活発にしたりする効果もあるとのこと。食品ごとに含まれる菌の内訳は異なるので、色々試しながら自分に合うものを見つけるのがお勧めです。
漬物やチーズ、納豆など「ちょい足し」しやすいものが多いので、今日から毎回の食事に発酵食品を一品、プラスしてみてはいかがでしょうか。
肝臓は、代謝や解毒、胆汁の生成など、身体にとって非常に重要な役割を担っています。しかし、胃腸などとは対照的に、即時的な痛みや不調を自覚することができないため、その異常は検査の数値でしか把握できません。そのため「沈黙の臓器」と呼ばれることもあります。
にもかかわらず、肝硬変などの自覚症状が出る状態になってからではもう手遅れなのが肝臓です。では、肝臓に優しい食生活とはどんなものなのか。まず、当然ながら「飲みすぎ」防止は不可欠です。飲酒習慣のある人は、
・必ず「つまみ」とセットで
・「節度ある量」を覚えておく
の2つを守りましょう。
なお、意外にもおつまみとしてお勧めなのが「野菜」です。アルコールの分解を助けるビタミンCや、アルコールの吸収を穏やかにする食物繊維など、お酒のお供にぴったりの栄養素が満載。野菜スティックやきんぴらごぼうなどが良いでしょう。
また、飲酒習慣のない人も油断は禁物。実は、肝硬変やその前段階の脂肪肝の患者さんには、「アルコール性」より「非アルコール性」の方のほうが多いのです。少しでも不安な方は
・「野菜や汁物などの副菜→肉や魚→主食」の順に食べる
・毎日「+10分」体を動かす
の2つを徹底してください。
更新:11月22日 00:05