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副収入が1500万円に...資格取得の達人が「働きながら合格できた」勉強法

2023年01月05日 公開
2023年12月28日 更新

林雄次(資格ソムリエ)

 

すきま時間を極限に活かす「5ミリ薄切り勉強法」

勉強する時間帯は、朝がベストです。1時間早く起きて机に向かい、あとはすきま時間をとことん使う、という方法がお勧めです。働いている方の多くは夜を勉強時間にしがちですが、これはかなり非効率だと思います。なぜなら、夜の脳は疲れているからです。

日中の仕事で人と会ったり、アイデアを練ったり、トラブル処理をしたりと、膨大な情報が脳を飛び交ったあとの「燃えカス」状態。燃えカスに自分のキャリアの将来を預けるのは、なかなかの暴挙ではないでしょうか。

朝の脳は、その反対です。睡眠によって細胞は回復し、かつ、まだ何の情報も入っていない更地の状態です。そこに知識を書き込んでいけば、学習効果も格段に上がります。

朝の勉強にはもう1つメリットがあります。あとに続く1日の中で、得た知識を反芻できることです。歩いている間でも、教科書を開かずに頭の中で反芻するだけで記憶を強化できます。

また何となく入ってくる情報――例えばポスターの文言や、ニュースの音声などから、今日学んだ箇所が連想できたりすることも多々あります。

一方、すきま時間については、文字通り「すきあらば」テキストを開きましょう。電車に乗って、座ったあとに開くのでは遅すぎます。ホームに並び、電車を待つ間から、すきま時間は始まっています。

「そんなタイミングではテキストを出しにくい」という方、その問題はちょっとした工夫で解決します。それが参考書「5ミリ薄切り勉強法」です。

私は、テキストをカッターで切って厚さ5ミリ程度にし、それをクルリと丸めて内ポケットに入れていました。これなら出し入れも簡単、ページも探しやすく、軽いので体力も消耗しません。この「分冊」が1日で終わるか2日かかるか、と言うふうに、進捗をつかみやすくなるのも利点です。

これで、信号待ちやレジ待ち、エスカレーターに乗っている間など、すべてのすきま時間を勉強に使えます。

こうした数十秒単位の場面では、スマホなどよりアナログのほうが断然便利です。スマホは、取り出してから目当ての情報に到達するまでに意外と時間を使うもの。

しかも、ひっきりなしに通知が入って気が散るのも難点です。ですから私は、勉強ツールはもっぱらアナログ。スマホは24時間365日サイレントにして、集中力を削がれないようにしています。

 

単語の丸暗記がいらない「イメージ把握暗記法」

さて、勉強法において多くの方が悩むのが「暗記」の苦しさです。これは、一言一句覚えようとしないのがコツです。

英単語も、細かくスペルを丸暗記しようとせず、単語の「長さ」や「形」といったイメージで覚える感覚で向き合ってみましょう。

例えば、intelligenceなら、「長め・iで始まる、真ん中あたりで背が高い」といった感じです。細部はひとまずおいて、エッセンスだけ抽出して覚えることで、無駄に記憶容量を消費せずに済みます。

曖昧な覚え方でも、何度もその情報に触れることで、パズルのように段々と解像度は上がっていくのは先に述べた通りです。その情報になじみが出てきた段階で細部を確認すればOKです。

極端な話、最後まで細部は放っておいても良いこともあります。筆記テストでない限り、正確なスペルを覚えていなくても、その単語に見覚えがあり、かつ意味を知っているならば問題はありません。

 

資格のコンセプトを知るのが最大の秘訣

私の場合、暗記はほとんどしません。最低限の暗記はしますが、やはり決め手は「理解」にあると思うからです。

社労士も暗記が重要な資格だとみなされがちですが、実際のところ、大事なのはエッセンスを汲み取れているかどうかです。「労働基準法」「労働安全衛生法」など10に分かれた科目それぞれ、法律を丸覚えするというより、その法律のコンセプトを理解することが必要なのです。

コンセプトとは、言い換えれば「労働基準法ちゃん」「労働安全衛生法くん」のような、一貫性のある人格を持つキャラクター。

人となり(個々の科目の持つ特徴)を知っていれば、設問を見たときに「この問題はこの点が問われている」と、すぐに察知できます。それは条文の丸暗記より効率的で、かつ深い知識であると言えるでしょう。

資格そのものにも、コンセプトがあります。それは「どんな人をつくりたいか」ということ。こういう人を養成する試験なのに、この選択肢が答えになるわけがないとわかる問題は一定数あります。

「こういう人材を世に増やしたい」という、作り手の思いを把握することが、究極の資格攻略法と言えるでしょう。

同分野の資格でも主催団体によってその人物像は少しずつ違い、求められる解答も変わってきます。ですから資格を目指すときは、HPに記された資格概要をしっかり読みましょう。作り手の意図を考え、「受かる答え」を記す、といった技が使えたら、もう達人の域です。

ビジネスパーソンは世のニーズを読むのが仕事ですから、こうしたアプローチはきっと得意なはずです。ぜひ新しい知識を装備して、さらなる成長へと役立ててください。

 

【林雄次(はやし・ゆうじ)】
資格ソムリエ。はやし総合支援事務所代表。1980年、東京都生まれ。大学卒業後、(株)大塚商会に入社。システムエンジニアとして働きつつ、社労士資格をはじめ数々の資格を取得。2020年に独立し、はやし総合支援事務所代表として、社労士・行政書士・DX支援等、総合的な企業サポートを行なう。キャリアアップに適した資格の取り方・活かし方を助言する「資格ソムリエ」としても活躍中。著書に『社労士事務所のDXマニュアル』(中央経済社)がある。

〈林氏が取得した資格(一部)〉
社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士、宅地建物取引士、社会福祉士、相続診断士、マンション管理士、情報処理安全確保支援士、ITストラテジスト、日商簿記検定2級、危険物取扱者(乙種1類~6類)、温泉ソムリエ、無人島サバイバル検定

 

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