――やってはいけないことは「一人で仕事を抱え込むこと」だ。
【緒方】3連覇できたのは、選手はもちろん、コーチやトレーナー、スコアラーなどが皆で力を合わせたからです。自分一人では大きな事を成し遂げることなんてできません。
私の監督1年目のように、リーダーも失敗することはたくさんあると思います。しかし、イチローや大谷翔平のようなスーパースターでも、たくさんの失敗を積み重ねて今があるように、一つも失敗しないで優秀なマネジャーや大経営者になった人なんていないはずです。
失敗を失敗という言葉で終わらせるのか、「経験」と考えて次に活かすのか。1年目の姿勢がこれからの人生を大きく分けるのです。
【緒方孝市(おがた・こういち)】1968年、佐賀県生まれ。87年、ドラフト3位で広島東洋カープに入団。俊足・強肩・強打の外野手として長くカープの主力を担う。2009年に現役を引退。その後、コーチを経て、15年に広島東洋カープの監督に就任し、16年にチームを25年振りのリーグ優勝へ導く。17年には37年振りとなる連覇、18年は球団史上初のリーグ3連覇を達成。現在は野球評論家として活動している。
(『THE21』2022年4月号特集「リーダーになったら必ずやるべきこと 絶対やってはいけないこと」より)
更新:11月18日 00:05