ゲーム感覚でたばこのポイ捨て問題の解決を目指す「ポイ捨て図鑑プロジェクト」が話題になっている。推進するのは、心地よい分煙の実現を目指す喫煙所ブランド「THE TOBACCO」を運営する株式会社コソド代表取締役の山下悟郎氏。
映像や動画メディアの起業を次々に成功させた実績を持つ氏がこの事業を立ち上げたのはなぜなのか、お話をうかがった。(取材・構成:内埜さくら、写真撮影(山下氏):まるやゆういち)
※本稿は『THE21』2022年3月号より抜粋・編集したものです。
――御社のユニークな事業やプロジェクトが話題になっています。山下社長は、これまでどのようなお仕事をされてきたのですか。
「様々な会社を起業して色々な事業を手がけてきました。映像プロダクションや、動画マーケティングの先駆けになるような会社、犬種に特化したペットメディアの運用会社などです。コソドを立ち上げたのは2019年のことでした」
――どうして今のような事業を始められたのですか。
「もともと、社会に貢献できる事業をしたいと考えていました。さらに言えば、自分が当事者で、自分と同じく困っている人がいて、他の人がやりたくないことがいいと思ったんです。
ちょうどその頃、まだ施行前だった『改正健康増進法』について知りました。自分も愛煙家なので、たばこを吸える場所が大幅に減ることで、喫煙者が困るだけでなく、ポイ捨てなどが増えたりしないだろうかと危惧したのです。
喫煙所を作れば、喫煙者の方々が困らなくなるうえに、受動喫煙を避けたい非喫煙者の方々も喜んでくれるのではないかと想定して、今の会社を立ち上げ、公衆喫煙所『THE TOBACCO』の設置を始めたというわけです。コンセプトや設置場所を決める際は、実際に、街でたばこを吸っている人にフィールドワークを実施しました。
どこに作ればいいのか。また、どのような喫煙所が理想なのか。厚生労働省や東京都、自治体の担当者にも相談し、最初に実証実験の場として設置したのが、東京都の神田と赤坂見附の2店舗です」
更新:11月21日 00:05