2021年12月09日 公開
2023年02月21日 更新
クリティカルシンキング→ラテラルシンキング→ロジカルシンキングという流れは、ロジカルシンキングにたどり着いて終わりではないことに注意が必要です。ロジカルシンキングで切り出された具体的なアクションについて、環境や前提をクリティカルシンキングで再び吟味することも少なくありません。3つの思考法は、円を描くように関係し合っていると言えます。
・ロジカルシンキングを鍛えるには…
物事を漏れなく、ダブりなく整理していく力が求められるロジカルシンキング。日々の仕事や生活の中に存在する課題に対し、一つひとつの具体的な作業を想定し、整理してみましょう。例えば家族旅行。家族全員の日程調整や旅行先の選定、宿の予約など、役割分担を決めて、どのような段取りで各自作業していけばいいのかを整理することは、ロジカルシンキングの訓練となります。
・ラテラルシンキングを鍛えるには…
自分の発想の外にあるものを探しにいくラテラルシンキングでは、いかに多くの情報に触れているのかがポイントです。ウェブサイト、情報誌など、定期的に外部からの情報のシャワーを浴びる仕組みを作るといいでしょう。本をたくさん読むこともお勧めです。成功談でも失敗談でも、自分の外で蓄積された経験を自分の中に知識として取り込むことができるので、新しい視点を獲得することに役立ちます。
もう一つ、ラテラルシンキングでは自然界から発想を取り込むことも非常に重要です。例えば、ある家電メーカーでは、掃除機の吸引力を高めるためにネコの舌の構造に着目し、掃除機のブラシをネコの舌を応用した形状にすることで吸引力の強化に成功しました。自然界の生存競争を勝ち残っているかたちを取り込むことが、ビジネスに意外な成果をもたらすことがあるのです。
・クリティカルシンキングを鍛えるには…
クリティカルシンキングは訓練がもっとも難しいものですが、よく知られている方法としては、「なぜ」を繰り返すというものがあります。「なぜ」を繰り返すことによって、それ以上問題の本質に迫れないというところまで要素を分解し、「なぜそれをやらなければならないのか」という本質的な目的との整合性を確認することができるのです。
現在の状況や環境に疑問を持ち、「本質的になぜそれが必要なのか」という思考を繰り返すことからスタートしましょう。その積み重ねが、クリティカルシンキングの力を鍛え、常に問題の本質を衝く思考力を育てることになります。
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更新:11月24日 00:05