2021年08月25日 公開
2023年02月21日 更新
「株価が上がる銘柄」を見極める根拠になるのは、次の4条件です。
1つ目は、「上場から5年以内の会社」であること。上場5年以内が、最も伸びの余白が大きい時期だからです。
企業は上場によって、広く世に株式を売り出せるようになります。私たちがそれを買うことで、企業には大きなお金が入ってきます。それを有効に使えれば短期間で急成長、株価もさらに大きく上昇します。
見つけ方は簡単です。ネットで「IPO(新規公開株) 5年以内」と検索すれば、すぐに出てきます。
2つ目の条件は、「時価総額が300億円以下」であること。時価総額が小さい会社は、大きい会社よりも「伸びるのが簡単」だからです。
株価が2倍になるためには、時価総額が2倍になる必要があります。約10兆円の時価総額を持つ巨大企業が、向こう1年間でさらに10兆円プラスするのはまず無理でしょう。対して、時価総額100億円のベンチャーが、1年間でさらに100億円の成長を遂げるのは十分に可能です。成長のスピードや可能性は、小さい会社のほうが断然有利なのです。
3つ目は、「皆が欲しいと思う商品を提供している」ことです。その商品やサービスがニーズに適っているか、時流に乗っているか、世の中に役立つのか。その会社が成長するに足る仕事をしているか否かという、「核」の部分を見極めましょう。
この場面は、長年のキャリアの中で培われた「世の中を見る目」の活かしどころです。会社HPや、その商品を使った人のレビューを見たり、時には自分でも使用したりして、じっくり調べましょう。会社や商品の魅力や存在意義、そして将来性を「人にプレゼンして納得させられるレベルで」語れたら、3つ目の条件もクリアです。
最後の4つ目は、「株価チャートが上昇トレンド」にあることです。これは、その銘柄の3カ月、6カ月のチャートで確認できます。チャートには一定期間を切り取った「移動平均線」が記載されています。だいたい1カ月移動平均線が右肩上がりになっているかどうかを確かめましょう。
チャートと言えば、よく受ける質問が次の2つです。
「チャートが読めないとできないのでは?」。
「チャートはしょっちゅうチェックしないとダメですか?」。
答えは、どちらも「心配無用」。
もちろん、チャートを読めるに越したことはありません。しかし、前述4つ目の条件が確認できれば、詳細な読み方を知らなくても投資はできます。チャートはあくまで「小道具」であり、「本質」ではないからです。
会社の事業に意義を見出し、その将来に期待を抱いて投資するという行為が株式投資の本質です。他方、チャートが描き出すのは「上がっているか、下がっているか」だけ。
その動向だけで売り買いを決めるトレーダーもいて、それが株式市場に一定の影響を与えるのも事実ですが、それらは一時的な動きに留まります。ビジネスモデルや商品をしっかり分析したほうが、最終的に確度の高い選択ができるのです。
そう考えれば、仕事中にチャートを頻繁に気にする必要もないことがわかるでしょう。
自分の時間を使わなくて済むことこそが、投資のメリット。いったん投資したら、あとは投資先の会社が大きく育ててくれるのを待っていればいいのです。
1日1回、スキマ時間にチェックすれば十分なので、多忙な人でも無理なくできます。バリバリ働いて世の中と接していたほうが、銘柄選びの目も磨かれるというものです。
この方法に則っても、もちろん「絶対に損をしない」わけではありません。私にも、伸びると思った会社が伸びなかった失敗経験は数々あります。
しかし、全財産を失う心配はありません。最初に株を購入する際、「どこまで下がれば売るか」、すなわち「損切り」の目安を考えておけばいいからです。私の場合、目安はマイナス20%。株価1000円のときに買うなら、800円になった時点で手放すことを考えます。
「丸損しても大丈夫」な額をあらかじめ決めれば大怪我はしません。あれこれ心配して「やめる」のではなく、リスクを踏まえつつ踏み出すことが肝要です。その先に、大きなリターンが待っているでしょう。
更新:11月22日 00:05