ときおり、お客様の細かなリクエストに応えることで、信頼を得るゲームメイクをしようとする人がいますが、それは「接客職の発想」です。
営業はまず、お客様の「課題」に応えることを最優先で考えねばなりません。営業がヒアリングによって課題を特定する際のトークはこんな感じです。
お客様「やっぱり、値段が安いほうがいいね」
営業「かしこまりました。もう少し、お話をうかがってもよろしいでしょうか」
(中略)
営業「お話を聞かせていただき、ありがとうございます。確かに、お値段のことは大事ですよね。〇〇様、いかがでしょう。お話をうかがうと、お値段のことも考慮しつつ、安定した品質、即納の対応も大事ではございませんでしょうか」
お客様「確かに、そうだね」
営業「かしこまりました。では、お値段のことを考慮しつつも、安定した品質、即納の対応が取れる体制をご提案いたします。いかがでしょうか」
「赤色が欲しい」と言われて、赤色を丁寧に提供するのが接客の仕事。
「赤色が欲しい」と言われて、青色を出し、さらなる満足を感じてもらう。それが営業に求められる役割なのです。
単なる「便利屋」とならないために、まずヒアリングを通じて「課題」を見出しましょう。
難しそう…と思われたかもしれませんが、そうではありません。あらかじめ、課題のメニューを用意しておくのです。
例えば、私が求人広告の営業だったときの“課題のメニュー”はこうでした。
「応募を増やす」といった“量”の課題。
「応募の質を高める」といった“質”の課題。
「応募からの採用率向上」「採用からの定着率向上」といった“率”の課題。
課題をこれらの4つに絞っていました。それが、営業の「勝ち筋」だったからです。
もしお客様のリクエストに応えて、例えば「応募受付の業務をラクにすること」を課題として設定すると、契約率は下がります。
それを得意とするライバル会社があるからです。営業における課題発見は、ある程度、「決め打ち」でも構いません。
ぜひ、あなたもお客様の役に立てる課題設定のメニューを決めてください。契約率が上がると同時に、お客様の満足度も確実に上がります。
更新:11月22日 00:05