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「お客様は神様」が生む“ブラック労働”…できる営業マンの顧客との付き合い方

2021年03月08日 公開
2022年10月14日 更新

伊庭正康(らしさラボ代表)

伊庭正康氏『できる営業は、「これ」しかやらない』

わがままなお客様に振り回されて困っている……。そんな営業マンは少なくない。

リクルートの元トップ営業マンで、現在は営業研修の人気講師として活躍する伊庭正康氏に、「顧客の便利屋ではなく、パートナーになる方法」を教えてもらった。

※本稿は、伊庭正康『できる営業は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

お客様は「神様」でいいのか?

たまにこんな営業部長がいます。

「お客様は神様!ウチは中小企業!なんでも、やらねばならない。お客様から“来い”と言われれば、休日でも飛んでいくのだ!」

これは、リクエストに応えすぎている状況です。いわゆる下請け気質。

気持ちはわかりますが、「営業の本質を理解されていないな」と感じます。

そんな会社に限って、営業力は低く、何より営業利益率が低く、ある特定のお客様との取引で現状はなんとか持っているが10年後はわからない……そんな不安定さを感じることが少なくありません。

例えば、こんな対応は、絶対にNGです。

お客様「値段は安いほうがいいね」
営業「かしこまりました。では、こちらの安いプランを提案いたします」

お客様「電話より、顔を出す営業マンがいいよね」
営業「かしこまりました。では、毎週うかがわせていただきます」

これでは、業者のように軽く扱われるようになるのは確実です。

 

「わがままなお客様」をつくるのは営業の責任

営業マンは、「便利屋」になってはいけません。言われたことはなんでもやる…この行為は、あなたの首を絞めてしまいます。

「来てくれたほうがラクなので、ちょっと来てくれない?」(電話でも済む内容なのに)

「前にもらったボールペン、また持ってきてくれない?」(頻繁に)

「社内の稟議にあげたいので、企画を3案ほど考えてくれない?」

こうしたことが当たり前になっているなら、営業マンの対応が、お客様をそのように“育てて”しまった可能性があります。

よかれと思ってやってあげたことが、いつしか当たり前となってしまっている。気がつけば、「お客様だけがWin、営業はいつもLose(我慢)」の関係に自らがしてしまっていることはよくあること。これだと、「関係性強化」ではなく、「関係悪化」です。

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