2020年12月10日 公開
2019年、大手ネット証券で初めての女性社長に就任した清明祐子氏。仕事が多忙な中、趣味も多く持ち、プライベートも重視しているという。仕事もプライベートも両立させる仕事術とは?(取材・構成:長谷川敦)
※本稿は『THE21』2020年12月号より一部抜粋・編集したものです。
――創業社長の松本大氏の跡を継いで、2019年4月にマネックス証券社長に就任した清明祐子氏。モットーは、「仕事もプライベートもどちらも大事!」だ。プライベートを充実させることが、仕事の充実にもつながると考えている。
「私の趣味は登山、マラソン、ゴルフ、そして飲み会も大好きです。週末はほとんどどこかに出かけていますね。雪山を登る技術は私にはないので、山は春から秋にかけて登っています。
目標は日本百名山を制覇すること。つい先日、54座目の登頂を果たしました。冬から春にかけては、月に1~2回のペースでマラソン大会に参加しています。登山もマラソン大会も、全国各地を訪れることになるので、それぞれの地元のお酒を飲んだり、買って帰ったりするのも楽しみの一つです。
また平日の夜も、仕事関係の会食だけでなく、友人と食事をすることも多いので、極力18時頃までに仕事を終わらせるように努めています」
――とにかくすべてに全力投球の清明氏。かと言って、睡眠時間も削らない。
「仕事が特別に忙しいときは別にして、普段は、最低6時間は寝るようにしています。きちんと睡眠も取りたいし、やりたいこともたくさんあるし、時間が足りないのは事実ですが、足りないからといって諦めたくはありません。
軽井沢でのマラソン大会と会社のイベントが同じ日に重なってしまったときは、ハーフマラソンを走り終えてすぐに新幹線に飛び乗り、東京に向かったこともありました」
――そんな清明氏も、若手の頃は仕事中心の生活を送っていたという。
「今のように仕事以外のことにも精力的に打ち込むになったのは、11年に、マネックスグループの子会社(当時)だったマネックス・ハンブレクトの社長に就任してからです。
それまでの私はほとんどマネジメントの経験がなくて、一人のプレーヤーとして成果を上げることだけに意識を集中させていました。けれども、社長になると自分だけが頑張ればいいわけではなく、人を動かすことができないと物事が動きません。そのためには、もっと視野を広げる必要があると考えました。
また、リーダーを務めていると、日々、色んな難題が降りかかってきます。そのストレスを抱え込んだままだと、自分の態度や言動がメンバーを不安にさせることになります。登山やマラソンは、外に向けて気持ちを発散させ、心の安定を保つためにも、とても大切です」
――趣味に打ち込むことは、仕事で成果を上げていくうえでも直接的に役立っているという。
「私はやっぱり仕事が好きなので、プライベートの時間も頭の片隅では仕事のことを考えています。登山も、登っているときはしんどくてとても考える余裕はありませんが、下山中は『あのときは、もっとこういう言い方をすればよかった』とか、『あの件については放っておくしかないな』というように、仕事の振り返りをよくしています。
不思議なことに、仕事の場を離れているときのほうが、仕事について冷静かつ客観的に見つめ直すことができます」
更新:11月24日 00:05