2020年09月23日 公開
2024年12月16日 更新
コロナ騒動に巻き込まれ、モロッコに閉じ込められて7ヶ月が経ちました。
第一波を水際で防いだと思われていたモロッコですが、6月下旬から感染者が爆増しています。
あらためて感染者数のグラフを眺めると、春ごろの第一波は単なるさざなみでした。
むしろ今こそが第一波の真っ盛り。天を突き刺す勢いで、棒グラフがいきり立っています。
このパンデミックがEUにバレる前にイタリアへ渡らねばとフェリーを探したら、チケット代は平時の3倍という時価。購入ボタンをクリックできなくてぐずぐずしているうちに、EUから出禁を食らいました。
特別に許可された国以外は、「帰省、仕事、病気、緊急」のみの入国許可。「キャンプ」なんて、アウトドアな文字はありませんでした。
涼しくなるとコロナは活性化するという噂を考えると、今年いっぱいはモロッコじゃないですかね。
となると、「五十而知天命(五十にして天命を知る)」の半ばをすぎたわが家なので、ここら辺が終の住処じゃろうって、お天道様からメッセージをいただいた気がしなくもないです。
幸いモロッコは治安がよく、ヨーロッパの玄関口にしては物価が安いです。
イスラム教なので知る人のみぞ知る程度に酒屋があり、醤油、のり、わさびも手に入ります。
ボクらの住む町には漁港があるので、ウニ、カニ、エビ、カキ、イカ、タコ、タイ、イワシ、マテ貝とよりどりみどりのシーフード。
とても食べる気になれませんが、隠れた名産は色とりどりのウツボ。
そして暑くも寒くもない気候は雨が少なく、徘徊するにはちょうどいい。
ただひとつだけ残念なことがありまして、豚肉がないのです。
スーパーマーケットで売られているベーコンは、加工前の端切れを集めたような見かけと味。驚くほどおいしくないです。
これからの人生、生姜焼きやとんかつ、チャーシューがなくて生きていけるのか?って話でして、それは無理。絶対に無理です。
とか言いながら、ついつい地元の不動産サイトを徘徊して、先日、手頃な物件を見つけてしまいました。
町一番のスーパーマーケットから歩いて5分、ビーチまで10分。
71平米で2ベッドルーム。
サイトに載っている写真は2枚。広い部屋と、きれいなテラスの写真。
注目すべきはテラスに階段がついているということ。これは、部屋と同じ広さのルーフバルコニーがあるということです。
つまり、テラス付きの71平米の部屋に、71平米のルーフバルコニー。広い!
お値段は、日本円にしておよそ610万円。
値引きします!とのことなので、不動産屋さんの手数料2.5%に諸経費7.5%を足しても、650万円に収まりそうです。
ということは、もし民泊として貸すと、一泊3,000円で稼働率を50%とするならば、電気代とかを引いても月4万円の利益。
1年間で48万円。
15年とかからず、元がとれそうじゃないですか。
我輩の経済予想では、モロッコの物価はヨーロッパに追いつく勢いで上昇するわけでして、10年で済むかも。
なんてことを胸のなかで計算しながら物件を見に行けば、
「お客さま、実に運がいい」
満面の笑顔で迎えてくれた営業マン。
「実はこのアパート、ふたつの物件があります」
「それぞれタイプが違うので、お好きな方をお選びください」
ほっほうそれはそれはと明るい老後を夢見ながら内覧すれば、ふたつの物件とは
1 71平米のテラスなし(2階)
2 45平米のテラス付き+45平米のルーフバルコニー(3階)
なんか変じゃね?
つまり、先ほど見た写真は同じ1つの物件ではなく、2つの別々の物件だったということ。
っていうか、ふたつの物件のいいとこ取りじゃないですか!
それはインチキ!ってことを指摘しても1ミリも真意が伝わらないほど、悪気がないのです、営業マン。
天然。
むしろ、一粒で2度美味しい広告術。私って賢いかもって誇らしげな顔。
邪気のないインチキだから、文句を言ってものれんに腕押し。張り合いがないったらありゃしない。
でも、これできっぱりと移住は諦めました。
それなのに、帰り道、運命のいたずらが!
インチキ物件の近所に、豚肉専門店があったのです。
ポークステーキが650gでおよそ860円だから、100gで132円。
ご禁制の品とは思えぬ、庶民に毛が生えたような価格帯で。
移住せよという天啓なのか、お天道様の気まぐれなのか知りませんが、
おじさん、豚肉ひとつください!
有名観光地のミュージシャン。半年以上、売り上げがないのではないかと心配です。
更新:02月04日 00:05