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話が「つまらない人」はある勘違いをしている

2020年01月29日 公開
2023年02月24日 更新

渡辺龍太(放送作家、即興力養成講師)

 

「考え方や価値観」がわかれば、話も盛り上がる!

ここで重要なのは、相手の考え方や価値観がわかる情報なのです。この「相手の考え方や価値観がわかる」ことこそ、相手のキャラクターを理解することなのです。Aの情報からは、その人が、

「やや思い込みが激しいが、状況に応じて柔軟に思考を変えることもできる。過去にはまったくとらわれず、他人からどう見られているかはあまり気にしない。でも、一度何かにハマったら、とことんのめり込むタイプ」

というキャラクターが見えてきます。名前も年齢もわかりませんが、何となく、人物像が思い描けると思います。ここまでわかれば、この人と仕事をするならどんな対応が良いのかといった対応方法が、ある程度は想像できます。

一方、Bの情報からは、この人物がどんな人なのか、わかるようでわかりません。たとえば、この「後藤さん」に新しく仕事を頼みたいとき、あなたは不安を覚えるはずです。なぜなら、どんな反応がくるか予想できないから。

そんなときに、思った以上に激しく抵抗されてしまったら、きっとあなたは「なんでこんな反応をするんだ? よくわからないな、もうこれ以上関わらないでおこう」と思うでしょう。そうすれば、その後の関係がギクシャクするだけです。

このように、雑談がおもしろい人は、雑談がつまらない人とは、まったく別の視点で情報収集をしているのです。話がおもしろいとか、口が達者とかは二の次。とにかく、「相手がどんなキャラクターか」に注視して、それにまつわる情報を集めているのです。

著者紹介

渡辺龍太(わたなべ・りょうた)

放送作家、即興力養成講師(ハリウッド流インプロ協会会長)

高校生の頃にお笑い芸人を志すも、日本ではスベり続けた末に、一念発起してアメリカへ留学。その際、現地で「インプロ(即興力)」と呼ばれる科学的に研究されたアドリブトーク術と出会い、コミュニケーション能力が劇的に改善。以降、本格的にインプロや心理学を学び、体系的にまとめられた「人間が笑う話のロジックのパターン」の研究に没頭する。帰国後は、インプロで身につけたコミュケーション能力を活かして、実績ゼロからNHKの番組ディレクターに就任し、放送作家となる。現在は、放送作家として活躍するかたわら、浅井企画メディアスクールでインプロワークショップなどの講師を経験したことをきっかけに、ビジネスマンや学生を対象に、様々な自治体や企業で精力的に講演やワークショップなどを行っている。2018年には、さらにインプロを広めるために、ハリウッド流インプロ協会を設立し、インプロ講師の養成にも注力している。
著書に、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』(ダイヤモンド社)、『自分の居場所はどこにある? SNSでもリアルでも「最高のつながり」の作り方』(CCCメディアハウス)、『ウケる人、スベる人の話し方』(PHP研究所)がある。

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