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話が「つまらない人」はある勘違いをしている

2020年01月29日 公開
2023年02月24日 更新

渡辺龍太(放送作家、即興力養成講師)

会話の内容よりも大切な「雑談のコツ」とは?

 

 今も昔も、「雑談が苦手」という悩みは尽きないもの。たとえば、「初対面で何を話していいかわからない」「話がつまらないと思われていないか不安」「とにかく沈黙が訪れるのが怖い」などなど...。

しかし、放送作家でありながら、科学的に研究されたトークメソッド「インプロ(即興力)」の養成講師として活躍する渡辺龍太氏によれば、雑談上手と雑談下手の違いは「紙一重の違い」に過ぎないと言う。

そこで今回は、そんな渡辺氏の著書『雑談がおもしろい人、つまらない人』(PHP研究所)の中から、「どんな人でも雑談が盛り上がる、たった1つの法則」について語っていただいた。

 

雑談は「キャラの理解」が9割!

最初に、雑談にまつわる大きな誤解を解いておきたいと思います。それは、「雑談に才能はいらない」ということです。

たしかに、話をしているだけで多くの人を笑わせて、ギャラを貰うようなお笑い芸人になるには、生まれながらの特別な才能が必要です。しかし、ラクに楽しく雑談を続ける程度に話すといったことであれば、特別な才能は必要ありません。

そもそも、インプロ的な観点では、雑談はお互いのキャラクターを理解するという行為です。だから、お互いのキャラクターさえ理解できるのであれば、笑わせる必要もなければ、オチを用意する必要もありません。もっといえば、雑談の内容なんて何でもいい、とすら言ってしまってもいいのです。

その理由を説明するために、少しだけインプロについて詳しく説明させてください。インプロは即興力とか即興演劇などと訳されますが、その意味するところは、「一切の台本がない舞台上で、観客を楽しませるための演技メソッド」です。

通常の舞台やお芝居では台本通りに演技する訓練や練習をしますが、インプロは「台本のない会話」を前提として演技の練習を行います。その即興劇の舞台上で、俳優たちが意識しているポイントが2つあります。それは、

1.自分が演じている人物のキャラクターを明確にすること
2.劇の間中、そのキャラクターがブレないこと

この2つのポイントを押さえるだけで、舞台を見ているお客さんは、その劇をおもしろいと感じて満足します。なぜなら、人は基本的に、目の前にいる人物のキャラクターがわかれば、その人物が、直面する事柄をどう考え、どう行動するかということに、強い興味関心を抱くからです。

つまり、その人物のキャラクターがしっかりと確立されていれば、どんな劇の内容であろうが、劇は成立するのです。

 

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話のつまらない人は「キャラに違和感」がある >

著者紹介

渡辺龍太(わたなべ・りょうた)

放送作家、即興力養成講師(ハリウッド流インプロ協会会長)

高校生の頃にお笑い芸人を志すも、日本ではスベり続けた末に、一念発起してアメリカへ留学。その際、現地で「インプロ(即興力)」と呼ばれる科学的に研究されたアドリブトーク術と出会い、コミュニケーション能力が劇的に改善。以降、本格的にインプロや心理学を学び、体系的にまとめられた「人間が笑う話のロジックのパターン」の研究に没頭する。帰国後は、インプロで身につけたコミュケーション能力を活かして、実績ゼロからNHKの番組ディレクターに就任し、放送作家となる。現在は、放送作家として活躍するかたわら、浅井企画メディアスクールでインプロワークショップなどの講師を経験したことをきっかけに、ビジネスマンや学生を対象に、様々な自治体や企業で精力的に講演やワークショップなどを行っている。2018年には、さらにインプロを広めるために、ハリウッド流インプロ協会を設立し、インプロ講師の養成にも注力している。
著書に、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』(ダイヤモンド社)、『自分の居場所はどこにある? SNSでもリアルでも「最高のつながり」の作り方』(CCCメディアハウス)、『ウケる人、スベる人の話し方』(PHP研究所)がある。

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