2020年02月07日 公開
2022年07月13日 更新
アンチは、ある意味で山本氏に興味のある人々なので、対話の余地が残されていると言える。
では、政治や山本氏の活動に対して無関心な人々に耳を傾けてもらうには、どうするのか。
「自分の得意分野で話をしても、相手が興味なければ、話を聞いてもらえません。ですから、相手の興味関心に引きつけることが大事だと思います」
街頭演説には、年代、性別、職業、立場の異なる人たちが集まってくる。そのため、まずは多くの人が関心を持ちそうな"ストライクゾーンの広いテーマ"から話し始めるという。
「例えば消費税がテーマなら、『朝、家を出てから、ここで山本太郎と出会うまでの間に、一度でもスーパーやコンビニで消費税を払った方はいらっしゃいますか?』と質問すると、大体8割くらいは手を挙げます。これで、その人たちは当事者です。
私たちの主張は、『消費税廃止』です。『消費税が10%になると、大体年収200万円の人で、1年でカ月分の給料が消費税として取られることになります。
消費税を止めて、1カ月分の給料が手元に戻ったら、買いたかったものが買えるでしょう?この20年のデフレで失われた日本人の個人消費が動き出すことになりませんか?』と。
その人たちの暮らしに引きつけ、自分事にしてもらうのが、この6年間の参議院議員の活動で見出した私のアプローチです」
中には、対話する気のない相手もいる。論点をはぐらかしたり、曖昧な答弁に終始する議員などだ。そんな人にはどう対応するのか。
山本氏は、ポイントとなる「質問の仕方」を解説してくれた。
「中身のない答弁をして質疑応答の時間を削り、こちらの力を削ごうとするのが彼らのやり方です。
ですから、まともな答弁は返ってこない、という前提で質問を作ることが大切です」意識したのは、答弁の当事者以外の人たち。つまり私たち有権者の目だ。
「ただでさえ、国会質疑はわかりにくいイメージから敬遠されがちです。それを避けるために、『私の質問を聞けば、議論されている内容について知らない中学生でも、問題点を理解できるわかりやすさ』を目指しました。
一般的な質疑のように、わかった者同士の会話からスタートしません。これほどまで簡単な質問にもまともに答えない対応を見れば、有権者にも議員の不誠実さが伝わるでしょう」
"のらりくらり"かわされないためには、「予定調和にしないことも大事」だ。
「国会で質問する際、相手に事前に質問を通告する慣例があります。通告に対して、省庁の官僚が答弁を作るわけです。お互いに了承したうえでのやり取りですから、これは、ある意味で芝居です。私はこの方法が嫌いなので、通告は1割するかしないか。通告したテーマとは違う質問をすることもあります。
すると、相手は何を聞かれるかわからないので、こちらをバカにしたような態度で答弁に臨めなくなります。相手の土俵では戦わない。それによって、少なくとも緊張感が生まれますね」
更新:12月04日 00:05