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デジタル通貨時代の世界、そして日本はどこへ行く?

2020年01月10日 公開
2023年02月24日 更新

中田敦彦(お笑い芸人)×坪井大輔(INDETAIL CEO)

 

中国の次に来るのはEU&アフリカ?

中田 では、米国の次は中国の時代になる?

坪井 そうなるでしょう。ただ、気になるのがEUです。今は沈黙していますが、いずれ動き出すと思います。というのも、今、ドイツが注目を浴びているんです。

中田 ベルリンが熱いそうですね。大企業の拠点と化したシリコンバレーより、よほど先進的だとか。

坪井 ロシアをはじめ、世界各国の優秀なエンジニアがベルリンに集結しています。ブロックチェーンやAIのラボもヨーロッパ全体で増えています。

中田 では、中国の次はヨーロッパですか?

坪井 付随して、アフリカの存在感も大きくなるでしょう。歴史上、ヨーロッパの影響が非常に強い地域ですから。

中田 ドイツは、植民地を多く持っていたフランスや英国と違って、アフリカへの影響力は小さそうですが……。

坪井 EU全体の一体感を高めて、アフリカに参画してくるでしょうね。

 

「製造業思考」から抜けられない日本

中田 翻って、日本はどうでしょうか?

坪井 中国やドイツと比較にならないですね。日本は、今後、国際競争の上位ランクから落ちるでしょう。

中田 バッサリですね! ドイツと同じく自動車で一時代を築いたのに、どこで差が?

坪井 過去の成功体験から抜けられなかったのが、最大の原因だと思います。

中田 一分野で大きくリードすると、挑戦者の側に回れなくなるわけですね。製造業での成功が災いしたわけですか。

坪井 現在もその呪縛から逃れられていない感があります。例えば、今、IT人材を育てようとしているでしょう?

中田 小学校でプログラミングを教える、などの動きがありますね。

坪井 その方法は間違っていると思うんです。IT産業において最も重要なのは情報コントロールやマネジメントの力であって、IT人材=プログラマではありません。プログラマを育てようというのは、いかにも製造業的な発想です。

中田 自ら発想し、イメージを広げていくような教育へ変わっていかなくては。

坪井 ですが、過去を捨てるのは難しいでしょう。いったん過去が徹底的に潰されれば、その後、まったく違うものを作り上げられるのですが、日本は敗戦までしても戦前との連続性を保った稀有な国ですから。

中田 連合国に占領されても、間接統治でしたからね。

 

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著者紹介

中田敦彦(なかた・あつひこ)

お笑い芸人

1982年生まれ。慶應義塾大学在学中に藤森慎吾氏とオリエンタルラジオを結成し、2004年にNSC(吉本総合芸能学院)へ。同年、リズムネタ「武勇伝」で『M-1グランプリ』準決勝に進出して話題となり、05年に『エンタの神様』(日本テレビ系)などでブレイク。16年には音楽ユニットRADIO FISHによる楽曲『PERFECT HUMAN』を大ヒットに導き、NHK紅白歌合戦にも出場。18年、自身のオンラインサロン「NKT Online Salon」を開設。アパレルブランド「幸福洗脳」を立ち上げ、経営者としての手腕も注目されている。著書に『労働2.0』(PHP研究所)などがある。

坪井大輔(つぼい・だいすけ)

〔株〕INDETAIL代表取締役CEO

1977年生まれ。小樽商科大学大学院アントレプレナーシップ専攻MBA取得。北海道科学大学客員教授、ベンチャー企業社外取締役、(一社)ブロックチェーン北海道イノベーションプログラム(BHIP)代表理事も務める。シリアルアントレプレナーとして事業売却を多数経験。16年よりブロックチェーンの取組みを開始。実証実験などのユースケースを築き上げる一方、啓蒙活動として年間30以上の講演を全国で行なう。最近ではトークンコミュニティとオンラインサロンの親和性に着目し、「ONSALO」というオンラインサロン事業を開始。また、自らもオンラインゼミ「DETAIL ZERO」を開講。著書に『WHY BLOCKCHAIN』(翔泳社)などがある。

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