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40代がこれから直面するヤバい「職場の大激変」とは⁉

2019年12月09日 公開
2023年02月24日 更新

河合雅司(人口減少対策総合研究所 理事長/作家・ジャーナリスト)

リーダーになる世代が親の介護で不在がちに

路線の廃止・縮小までいかなくても、高齢者が増えれば思いがけない変化が想定されます。現在は定刻通りに走っている電車やバスも、乗り降りに時間がかかったり、手助けを必要とする高齢者が多数になれば、遅延が発生しやすくなります。

これまでは15分で移動できた取引先に30分かかるようになれば、それだけで労働生産性は下がるでしょう。こうした変化が社会のあちこちで起こるようになるのです。

これから増えるのは、80代以上の高齢者です。個人差はあるものの、80歳を超えると耳や目の機能が低下したり、理解力や判断力が衰えたりして、生活の質は下がるのが一般的です。

そして、この世代を親に持つ40代や50代の管理職世代は、親が高齢化した影響を否応なしに受けることになります。重要な会議の最中に実家の親から携帯電話に着信があったので、何かあったのかと慌てて離席して出てみたら、「瓶のフタが開けられない」といったささいな用件だったという話はよく耳にします。

職場のリーダーとして重要な役割を担う世代が、こうした形で頻繁に仕事を中断することになれば、組織の生産性にもマイナスの影響を与えかねません。

それでもまだ親が元気に暮らせるうちはいいのですが、介護が必要になれば、40代や50代でも離職せざるを得ないケースが出てきます。

現時点でも介護離職は大きな課題となっていますが、ある大企業が社内アンケートをしたら、「社員の7人に1人は介護離職の可能性あり」という結果が出て経営者が驚いたという話もあります。

離職まで至らなくても、「親を病院に送るので出社が遅れる」「デイサービスから戻ってくる親を迎えなくてはいけないので早退する」といった必要に迫られる人は、さらに増えるはずです。

 

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著者紹介

河合雅司(かわい・まさし)

人口減少対策総合研究所 理事長/作家・ジャーナリスト

1963年、名古屋市生まれ。中央大学卒業。産経新聞社論説委員を経て、一般社団法人「人口減少対策総合研究所」理事長に就任。現在、高知大学客員教授、大正大学客員教授、日本医師会総合政策研究機構客員研究員など多くの職務を兼任。厚労省をはじめ政府の各有識者会議委員も務める。ニッポン放送のニュース解説番組『ザ・フォーカス』(18:00~20:20生放送)のレギュラーコメンテーター。新聞、雑誌などで複数の連載も手掛ける。2014年に「ファイザー医学記事賞」の大賞、18年にNPO法人ひまわりの会「ひまわり褒章」の個人部門賞、19年に「第80回文藝春秋読者賞」など受賞多数。人口減少日本で起きることを克明に描いた著書『未来の年表』(講談社現代新書)、続編の『未来の年表2』(同)、最新刊の『未来の地図帳』(同)はいずれもベストセラーとなり、累計で86万部(2019年9月末日現在)を突破した。これら以外にも『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社新潮選書)、『河合雅司の未来の透視図』(ビジネス社)、『マンガでわかる未来の年表』(講談社、漫画・水上航、監修・河合雅司)など数多くの著書がある。

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