2019年11月19日 公開
2023年02月24日 更新
例えば、就職したいと考えている会社が、将来性がある良い会社なのか。取引先の会社は、これから成長が期待できるのか。いまはネットで調べれば、簡単になんらかの情報を得ることができるが、それは「誰か」の知見やものの見方だ。それを参考にしながらも、自分自身で実際にその会社のよしあしを見抜く”確かな目”を養っていくことが大事だと、経営コンサルタントの小宮一慶氏は言う。具体的には、どこをどう見ればいいのか。一例を教えてもらった。
※本稿は、小宮一慶著『伸びる会社、沈む会社の見分け方』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。
経営の格言の一つに、「クレーム対応で会社の値打ちが決まる」という言葉があります。
クレームに真摯に対応することは、どんな業種においても企業の絶対原則と言えます。
お客さまからのクレームの大半は、人の対応によって起こります。買った商品に不具合があったとしても、それに対して納得のいく対処をしてもらえたら、不満は解消します。真摯に、できる限りのことをしますという誠意が伝われば、許していただけるどころか、「対応がとても気持ちがよかったので、これからもお宅の商品を買いたい」とファンになってくれることも少なくありません。
「あそこの商品はもう二度と買わない」と言うようなアンチの人を生んでしまうか、クレームをきっかけとしてファンになっていただけるかは、その場でどう対応するか次第なのです。
ある会社のパーティーの席のスピーチで、ある銀行の常務さんが、「クレーム処理」という言葉を使っていました。その瞬間に私は「この銀行はダメだ」と思いました。
お客さまに応対することを「処理」と表現する姿勢に、大きな感覚のズレを感じたのです。処理とは、ものごとに始末をつけること。役員レベルの人が平然とそういう言い方をしているということは、この銀行がお客さまの声にどう向き合っているか、自ずと分かります。
クレームは、「処理」するのではなく、誠意をもって「対応する」ものです。
更新:12月02日 00:05