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退職を後悔しないために「独立前」に必ずやっておくべきこと

2019年10月30日 公開
2023年03月31日 更新

前川孝雄(FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師)

独立の準備をした「つもり」でいた

 私は、リクルートという会社で働いていました。

 同社では当時、フレックス定年制を採用していて、38歳に退職金がピークに達するよう設計されていました。

 その制度のおかげで、若いうちから〝卒業後″を意識した働き方ができました。鶏口となるも牛後となるなかれ。将来は転職ではなく、起業のみを目標にしていました。

 とはいえ、周囲と比べてのんびりしていたと思います。独立したい想いはあるものの、具体的な構想はなく、20代は、『ケイコとマナブ』という雑誌編集部で楽しく仕事をする一方、「ずっとこの仕事を続けていいのか」などとモヤモヤしていました。

 かといって、独立の準備を怠っていたわけではありません。まずは、ビジネススクールに通って、今の仕事以外のビジネススキルを磨くことにしました。

 独立したら、すべて自分でこなさなければならない。経験を積んできた編集だけでなく、営業も人事も経理のスキルも必要です。

 しかし、希望の部署を全部経験するにしても時間がかかるので、ビジネススクールで効率よく学ぼうと考えたのです。また、積極的に「セルフブランディング」もしていました。

 独立後は、会社の看板ではなく自分の名前で勝負しなければならない。そう考えた私は、編集長として働く一方で、会社の外で自分の考えを発信すべく、睡眠時間を削って新聞に寄稿したり、書籍を書いていました。

 ただ、詳しくは後述しますが、この2つだけで独立の準備をした「つもり」でいた自分に、激しく後悔することになります。

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社内失業から立ち直り、やりたいことを見つけた >

著者紹介

前川孝雄(まえかわ・たかお)

〔株〕FeelWorks 代表取締役/青山学院大学兼任講師

1966 年、兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒。〔株〕リクルートで『リクナビ』『就職ジャーナル』などの編集長を務めたのち、2008 年に〔株〕FeelWorks 設立。「上司力研修」「50 代からの働き方研修」などで400 社以上を支援。2017 年に〔株〕働きがい創造研究所設立。〔一社〕企業研究会研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業審査員なども兼職。
独立直後には、「700 通の挨拶状を送るも反応ゼロ」「仕事の依頼がなく近所の公園で途方に暮れる」といった挫折を味わう。そこから立ち直った経験から、近年はミドルの転職・独立・定年後のキャリアの悩み相談に乗る機会も多い。
著書は、『上司の9割は部下の成長に無関心―「人が育つ現場」を取り戻す処方箋』(PHPビジネス新書)、『「働きがいあふれる」 チームのつくり方』(ベスト新書)、『「仕事を続けられる人」と「仕事を失う人」の習慣』(明日香出版社)、『もう転職はさせない! 一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)など多数。

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