現実問題として、「こいつは俺より優秀だな」という部下は出てきます。
また、総合的には勝っていてもこの分野は敵わないな、ということもあるでしょう。
部下育成が上手なリーダーは、自分が完璧ではないことを知っています。
したがって、先頭に立って引っ張るより、部下を前面に出して、後ろから何かあったとき、フォローすればいい、と考えています。
なので、自分より優秀だと思った部下には、対決するどころか、教えを請います。
ときには、本来自分が知っていることでも、その部下が「こんな商品があるんですよ」と言ってきたら、「全然知らなかったよ!教えてくれてありがとう」と、返します。
つまり、優秀な部下のメンツをあえて立てるのです。仮に「それ、知ってるよ」と言ってしまえば、部下も快く思わず、同じような提案をしてくれることはないでしょう。繊細な部下の場合、以後まったく意見を出さなくなってしまうかもしれません。
部下から反論があった場合も、むしろ反論を歓迎します。「立っている場所が違えば、ものの見方が違うのは当然のこと」と考えているので、反論は、相手にとっての正論、つまり全員が全員「正しいと思う意見を持っている」ことを理解しているからです。
話は少し変わりますが、時代は大量生産から多品種少量生産に変わりました。
みんなが同じ歌を聴いて、同じドラマを見て、同じテレビ番組を見て育つ時代は終わり、アマゾンのロングテール戦略のように、それぞれが違うものに触れて育つ時代になりました。また、日本で外国人の方も多く働くようになってきています。価値観どころか、言語や文化が違うことも少なくありません。
このような、多様性を受け入れていかなくてはならない時代においては、リーダーはむしろこの多様性を活かしていく必要があります。
その意味でも、リーダーは「部下から学ぶ」機会を積極的に設けるべきです。
これからのリーダーは、「相手を認め、謙虚に学ぶ」ようにしていきましょう。
更新:11月22日 00:05