2019年06月27日 公開
2019年06月27日 更新
最終的な利益である当期純利益の率(売上高対当期純利益率)を見ると、セコムが約10%なのに対し、綜合警備は5%程度です。
私ごとですが、十数年前、ちょっと我が家を留守にした間に泥棒に入られ、大きな被害はなかったのですが、それからホームセキュリティを入れました。毎年毎年機械警備の手数料を払っていますが、累計するともう泥棒被害の何十倍の金額になっています。これでは、何度か泥棒に入られたほうが、安かったでしょうか(笑)。
そうした私の個人的心理状況からすると、この両社の最終純利益率はもっと高いのかなと思っていただけに、比較的良心的な数字に見えます。
それにしても、10%と5%は大きな差です。この差はどこから生まれてきたのでしょうか。
表の上のほうを見ていくと、いきなり売上総利益率で大きな差が出ています。セコム31・7%に対し、綜合警備は24・6%、実に7ポイント以上の差があるのです。
その下の販売費及び一般管理費の率ではあまり差がありません。むしろ、綜合警備のほうが低いのです。そのように見ていくと、売上原価率の差が最終利益率の差に影響を与えていることがはっきりします。
つまり、売上原価にこそ大きな差がついていた、ということになります。
警備会社も最近は機械警備が多くなっており、規模の大きなセコムに有利な状況にあると言ってよいのでしょう。
(『ざっくりわかる「決算書」分析』より抜粋・編集)
更新:11月24日 00:05