2019年07月23日 公開
2023年03月02日 更新
夏間近で、汗などのニオイが気になる季節。制汗剤や消臭スプレーなどを使って対策をしている、というビジネスマンも多いはず。しかし、「身体のニオイ」とひと言で言っても様々で、ニオイが発生する部位や種類によって対策も変わってくる。自分では防止できているつもりでも実はそうではなかった……ということにならないように、マンダムの研究員・原武史氏に、ニオイケアについて教えていただいた。<取材・構成=福井壽久里>
ビジネスパーソンの中でも、30代半ばから40代のミドル世代は、仕事においてもプライベートにおいても重要な役を担う時期。人と接する機会が多くなることから、ニオイへの意識も高まる年代です。
当社の調査では、実に7割近くものミドル男性が「自分の頭のニオイが気になる瞬間がある」と思っていることがわかりました。しかし、「気にはなっても別段対策はしない」人が4割、という結果も。ニオイが一層気になる夏を前に、その原因と対策についてぜひ知っておいてください。
男性の気になるニオイというと「加齢臭」を連想する人が多いかもしれません。しかし、実は「加齢臭」とは主に、50代以降に発生する枯れ草のようなニオイが特徴の体臭を指す言葉で、男性のニオイ全体を一括りするものではありません。当社の研究によって、男性の主な体臭は年代ごとに特徴的なニオイ、ニオイが発生しやすい箇所、原因物質が変化していくことがわかっています。
主な体臭は20代~30代前半では主にわきから、50代半ば以降では体幹部・背中から発生し、それぞれ「汗臭」「加齢臭」と呼ばれています。2013年にマンダムでは、ちょうどこの中間世代、40代前後の男性に特有のニオイがあることを発表しました。「汗臭」でも「加齢臭」でもない、頭頂部から後頭部にかけて発生する使い古した油のようなこの体臭を、我々は「ミドル脂臭」と名づけました。
ミドル男性の中には「あなたの枕が臭う」と家族から言われて、ショックを受けたという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そのニオイは頭から出る「ミドル脂臭」かもしれません。
そもそも体臭が発生するのは、汗や皮脂(それ自体は無臭)を皮膚上の細菌が食べて吐き出す(代謝する)ことが原因です。
ミドル脂臭の場合、原因物質は「ジアセチル」であることがわかっています。「ジアセチル」は汗の中に含まれる乳酸を、皮膚に常在している菌が代謝することで発生する物質です。この「ジアセチル」と皮脂が酸化して発生する「中鎖脂肪酸」と混ざりあったものが「ミドル脂臭」と呼ばれるニオイです。
「ジアセチル」は30代から40代にかけて発生する量が多くなり、そのぶんニオイが気になります。なぜ40代で増加するのか、その原因はいまだにわかっていませんが、対策を講じることはできます。
更新:10月14日 00:05