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40代が気をつけたい「ミドル脂臭」とは?

2019年07月23日 公開
2023年03月02日 更新

原 武史(マンダム基盤研究所生理解析研究室主事)

シャンプーをするときは二度洗いがお勧め

自分のニオイには、慣れ親しみ鈍感になっているため、気づくことが難しいものです。先述したように枕のニオイをチェックするなどして、早めに対策を取ることがお勧めです。

ニオイ対策というと、ワキや体幹部をケアする方が多く見られます。しかし、ミドル脂臭は頭頂部から後頭部にかけて発生しているニオイですので、身体よりも頭皮のケアをお勧めします。

ケア方法は、まず何よりも頭皮を洗うことが大事。ニオイ物質「ジアセチル」を蓄積させてしまうベタベタとした皮脂を洗い流すことがお勧めです。

洗い方についても、皮脂をしっかりと洗い流す方法をご存知でない方が見受けられますので、詳しく説明します。

シャンプーを適量手に取って泡立て、頭頂部・後頭部を特に入念に指の腹を使って1分半ほど洗います。それを2回繰り返します。一度目のシャンプーで髪に着いた埃などを落とし、二度目で頭皮の脂を落とす意味があります。

ポイントは「ぬり絵をぬりつぶすように」洗うこと。まんべんなく頭皮をしっかり洗うように意識しましょう。「いつも数秒で洗い終えている」という方には長く感じる時間かもしれませんが、このひと手間こそがミドル脂臭に最も効果的な対策方法なのです。

 

デオドラント製品の前に汗を拭くなどの対策を

シャンプーの他に、頭皮にも使用できるデオドラントスプレーなどを使って、日中もニオイ対策をするとさらに効果的です。ただ、せっかくのニオイ対策も間違えている方が多くいらっしゃるようです。

中でも注意したいのがデオドラント製品の使い方です。デオドラントはそもそも「防臭」するための製品で、ニオイが出るのを防ぐ働きをします。ニオイが発生する前に使用するものであり、事後、つまりニオイが出てから吹きつけても十分な効果が得られません。身体を洗ったり汗をしっかり拭き取ったりして清潔にした後に、デオドラントで防臭するのがその正しい使用方法です。

また、体臭の予防方法として「耳の後ろを洗うとよい」と聞いたことのある方は多いと思いますが、実は耳の後ろからは特に強いニオイは発生していません。主に発生している場所を中心にニオイのケアをしていきましょう。

汗や皮脂などを落とし、清潔に保つことは、どの世代の体臭ケアにおいてもベースとなる最も重要な部分です。そのうえで、自分の年代の体臭の特徴を抑え、ケアすべき箇所に的確なアプローチを行ないましょう。

男性のニオイ対策はもはやエチケット。素敵なミドル男性であるために、正しいニオイの知識を持って「身体のニオイ」に徹底対策していきましょう。

<『THE21』2019年7月号より>

 

著者紹介

原 武史(はら・たけし)

マンダム基盤研究所 生理解析研究室 主事

1980年、福岡県生まれ。立命館大学大学院修了。理学博士。2005年に㈱マンダムに入社。基盤研究室、ボディケア製品開発室を経て、現在は基盤研究所 生理解析研究室に所属。臭気判定士の資格を所有しており、男性のニオイを実際に嗅いで集めたデータを基に、研究や製品開発に活用している。

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