2019年06月20日 公開
2023年03月02日 更新
さらに「効率的」な生産性の改善はあくまで限定的となります。生産性=成果÷投入資源です。「効率的」な生産性アップは投入資源の効率をよくすることですが、この投入資源とは縮小することはできても限定的で決してゼロにすることはできません。つまり、「効率的」な生産性には限界があるということになります。
そこで生産性を高めるための社長が取り組むべき方法とは、成果を大きくすること、つまり、「効果的」に生産性を向上させることです。「効率的」な生産性向上には限界があるものの、「効果的」に生産性を大きくすることは、理論上の制限がなく創意工夫でどんどん伸ばすことができます。創意工夫を繰り返しながら高収益事業を創り出すこと。ここに着手しない限りは、根本的な生産性は改善されないことを社長は理解する必要があります。
このように経営にとってまず必要なのは「効果」であって「効率」ではないという根本を忘れてはいけません。なぜなら、効果があって成果が出ていない限り、いくら効率を上げても無駄だからです。生産性向上のためには、決して効率的じゃなくても、泥臭くても構わないのです。社長が効果・成果に徹底してこだわることです。
会社の未来を明るいものにする、社員とその家族を守り続けるためには、社長自身が「効果的」な生産性向上となる高収益事業を創造し、種を蒔き、育てることで、高収益体質の会社に生まれ変わることができるのです。
生産性が低い会社にはある特徴があります。それは、社内に様々なオブストラクション(妨害・横槍)が存在していることです。その代表例が社内での相談ごとです。
そもそも相談ごととは、新人や経験が浅い社員(未知社員)から幹部や経験が豊富な社員(既知社員)に対しておこなわれます。もちろん相談に乗ることも仕事の1つですから、教えてあげる必要があります。
しかし、小さな会社では幹部社員といえどもマネージャー専属ではなく、プレイヤーとして動いている人がほとんどです。そのために、自分の業務も高速でこなしながら、部下の相談にも回答していくという器用さが必要になります。小さな会社には何も教えなくても仕事ができるような社員は入社してくることはありませんから、未知の社員から既知の社員への質問が、幹部や経験豊かな社員の時間を一時中断させることになるのです。
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更新:11月25日 00:05