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「気軽に相談に乗る」上司が、実は生産性を下げている?

2019年06月20日 公開
2023年03月02日 更新

金村秀一(ウィルウェイグループ社長)

探し物の時間は驚くほど膨大!

上記の「整理」と「整頓」を徹底的に実践することで解決できる大きなことがあります。それは「探す時間をなくすこと」です。必要最小限度にまで仕事を減らし、順番を決め整えることで、モノを探す時間や次に何をやるか考える時間を圧倒的に減らすことができます。

ある調査によると、モノやPC内のファイルなどを探す時間は一人あたり年間152時間というデータがあります。8時間労働で換算すると年間で約19日間、探す時間に使われていると換算することができます。週休2日制と考えると、12ヶ月のうち1ヶ月が探す時間で使われていることになります。つまり、会社全体の人件費1ヶ月分が探す時間で使われているのです。仕事の「整理」と「整頓」を徹底することで、これだけの時間とコストが生まれることになり、効率的生産性が向上します。

 

長時間労働を解消しても生産性は改善されない

長時間労働は会社にとっても社会にとっても大きな問題だと認識されるようになりました。しかし、解決すべき問題は「長時間労働」なのかと言えば、実はそうではありません。解決すべき問題は「長時間労働」ではなく、「生産性が低いまま放置されていること」なのです。

売上や利益を伸ばす方法として、社員をより長く働かせる「長時間労働」以外の手段を思いつかない社長の意識や、それ以外の方法では付加価値を生み出せない古いビジネスモデルへの執着こそが、本来解決すべき問題なのです。

社長自らが新たな変化を社内に起こさず、時代の変化に合わせた対策を講じずに、目の前に起こった仕事に対応する経営をし続けてきた結果、生産性が軽視され、労働集約型の会社ができあがっています。

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「効率化」には限界がある >

著者紹介

金村秀一(かねむら・しゅういち)

ウィルウェイグループ社長

成功し続ける社長のための経営塾『100年塾』塾長。
1973年東京生まれ。東京国際大学卒。1995年、弱冠21歳の時に創業。企業のWEB制作や顧客管理、マーケティングサポート、飲食業界、人材派遣業界など会社の成長ステージに合わせて事業を展開し、労働生産性は中小企業の3倍と高い生産性を実現。これまで四半世紀の経営経験から得たノウハウと、右肩上がりの高収益企業を創造する経営計画書による経営の仕組みを、社員30人未満の小さな会社の社長を対象とした経営塾『100年塾』で2012年から主宰。
著書は累計3万部を超える。最新刊に「右肩上がりの会社が必ずやっている現場ルール(自由国民社)」。

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