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なぜ「オンラインサロン」に人が集まるのか……その役割は「ハチ公前」と同じ?

2019年05月15日 公開
2023年03月02日 更新

森下えみ(株式会社インテルレート 代表取締役)

多すぎる情報に疲れてしまった人々

では、なぜこの「オンラインサロン」が注目されているのでしょうか。

いまどき、何か調べたいと思ったとき、その手の中にあるスマホを利用すれば、私たちはいくらでも情報にアクセスすることができます。

あまりにも手軽に情報が見つかるので、最新のもの、古いもの、ウソのこと、本当のこと、その正誤判断をすっ飛ばしてしまいそうになります。

情報に罪はありません。全ては私たちがどのように情報を仕入れ、判断するかの裁量に委ねられているのです。

ただ、それはとても疲れるし、面倒なことでもあります。今後もどんどん増殖していく情報が、目からも耳からも入ってくる。しかもそれをいる、いらないに分けないといけないなんて……。では、そんな人はどうしたいと思うようになるでしょうか。

不特定多数ではなく、むしろ特定の人とだけつながった世界のほうが楽だと思うようになるのではないでしょうか。そして情報に関しても、その中から信頼できる誰かに選んでもらう。

そんな「閉じ行くインターネットの世界」にこそ、魅力を感じるようになるかもしれません。

それを実現できるのが、オンラインサロンなのです。

「閉じているのに、繋がることができる場所」で、自然と同じ目的、同じ思想の人が集まってきます。

「関係性によっては繋がりたい」という表現のほうが合っているかもしれません。

 

ネットとリアルがフラットな20代

なぜ、閉じた世界に魅力を感じるのか。20代以下世代と、30代以上世代では大きく異なります。

30代以上は先ほど述べたように、むしろ広く解放された世界への疲れが大きな要因のように思えます。

一方、20代以下世代は、30代以上世代に比べてインターネットとリアルの世界が実にフラットです。

インターネットの中だけの知り合いに対しても、障壁がないように見えます。

彼らのSNSがしばしば炎上するのは、インターネットとリアルが同じ世界で見えるからで、自分の発言はせいぜい半径数メートルにしか伝わらないだろうという認識なのでしょう。

「こんな面白いこと考えたから見てほしい」くらいの間隔でSNSに投稿してしまうから、ときに炎上が起きてしまうのです。

そうなってくると、誰も彼もが閲覧できるわけではない、閉鎖的な場所こそが求められるようになってきます。それが、オンラインサロンがもてはやされる理由の一つになっているように思います。

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