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タカミヤ「建設業界にイノベーションをもたらした『次世代足場』市場の創造」

2019年06月07日 公開
2022年10月25日 更新

【経営トップに聞く】髙宮一雅(タカミヤ会長兼社長)

 

髙宮一雅

 

現場での仕事のしやすさと運用コストを追求した『Iqシステム』

 ――Iqシステムが人気商品になると、他社も似た足場を開発するのではないでしょうか?

髙宮 今になって、その動きが出てきています。「次世代足場」という名前は私がつけたのですが、他社が次世代足場に投資をしているときに、当社は回収をしているわけです。

 ――他社が開発している次世代足場とIqシステムは、どこが違うのでしょう?

髙宮 基本的なコンセプトは同じです。ただ、当社のIqシステムの階高が1,900mmあるのに対して、他社は1,800mmです。従来の足場は1,700mmです。

 1,900mmだと、90%の人が上の段に頭をぶつけずに、まっすぐ立って作業ができますが、1,800mmだと50%の人が頭をぶつけてしまいます。当社は作業をする人のことを考えて1,900mmにしていて、どの現場で聞いても「1,900mmがいい」と言っていただいています。

 それなのに、なぜ他社は1,800mmにしているのかというと、階高が高いと、足場を組む際に足場板を持ちあげるのが大変だからです。Iqシステムは今年から、15.6kgある足場板を大幅に軽くすることで、この問題を解消することにしています。

 ――Iqシステムの特長は他にもありますか?

髙宮 従来の足場の幅には600mm、900mm、1,200mmという三つの種類があります。足場を設置できるスペースが狭い現場では600mmを使い、土木系の現場では1,200mmを使う、というように使い分けるのですが、種類が多いということは、それだけ付随する部材の種類も多いということです。

 例えば床材は550mmと幅が決まっているので、600mmの足場には1枚、1,200mmの足場には2枚入れて使います。では、900mmの足場ではどうするか? 240mm幅の補助材が必要になるのです。

 このように部材の種類が多くなると運用コストが高くなりますから、Iqシステムでは600mmと1,100mmの2種類をメインにして、補助材を不要にしました。

 床材に置いたモノの落下防止のために床材とフレームの間に立てる幅木という部材も、1,200mmだと番線で締めなければいけないのですが、1,100mmだと、その工程が省けます。

 また、これは他社の次世代足場でも同じですが、従来の足場では必要だった補強桟が、Iqシステムでは不要です。外側のフレームしかないので、開口部が広く、作業がしやすくなっています。

 

著者紹介

髙宮一雅(たかみや・かずまさ)

〔株〕タカミヤ代表取締役会長兼社長

1966年、大阪府生まれ。92年、エスアールジータカミヤ〔株〕(現・〔株〕タカミヤ)入社。2002年、代表取締役社長に就任。05年、ジャスダックに上場(08年に上場廃止)。07年、東証2部に上場。14年、東証1部に指定。17年より現職。

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