2019年04月22日 公開
2023年03月07日 更新
こうした分野でのAIの活用を「味気ない世の中になる」「人の仕事を奪う」と思う人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。
たとえば、AIによって自分に合った就職先を見つけることで、合わない企業に就職してしまい、嫌な思いをする確率が下がります。企業側も同様に、ミスマッチによる採用コストの無駄を防ぐことができます。
結婚を真剣に考えている若い世代が、マッチングAIを使って効率的に相手を見つけられれば、結婚までの時間を無駄にすることなく、しかも幸せな結婚生活を送れる可能性も高くなります。素晴らしいことではないでしょうか。
SNSやネット上の画像データをAIに食べさせて、トレンド情報をまとめたり、次に来る流れを予測したりすることもできるでしょう。ヒットする作品の傾向や流れをAIで解析することもできそうです。
その情報をもとにクリエイターが創造力を発揮すれば、新しい文化が生み出されるはずです。それが人に感動を与え、生きる力になるのであれば、この手法はきっとスタンダードになっていくでしょう。
不確実性だらけの世の中で、AIが判断のサポートをしてくれると考えれば、これほどありがたいことはありません。会社経営をした経験がある方なら、実感が湧くでしょう。
経営判断をする際、十分な材料が揃わず、結局カンと度胸で舵取りすることは多いものです。自分で自信が持てない判断でも、数千万、数億、数十億円というリスクを負うのが会社経営です。この気持ち悪さから解放されたいと、いつも思うものです。
AIはよくわからない、怖いものではない。それを理解することで、AI活用のアイデアがいろいろと湧いてくるのではないでしょうか。「AI活用について話す」ことができるようになれば、自分のビジネスの新しい展開が、きっと見えてくるはずです。
(斎藤広達著『数字で話せ』より一部抜粋・修正)
著者紹介:斎藤広達(さいとう・こうたつ)
シカゴ大学経営大学院卒業。ボストンコンサルティンググループ、ローランドベルガー、シティバンク、メディア系ベンチャー企業経営者などを経て、経営コンサルタントとして独立。その後、上場企業の執行役員に就任し、EC促進やAI導入でデジタル化を推進した。現在は、AI開発、デジタルマーケティング、モバイル活用など、デジタルトランスフォーメーションに関わるコンサルティングに従事している。
更新:11月23日 00:05